【MANNO MOUNTAIN MADNESS 2023 80km】水場や絶景はなし!ひたすらマッドネスなコースを突き進む!

サハラマラソン本番までの挑戦記録

お疲れ様です。
柾木です。

さて今回は名前からしてヤバそうなトレランの大会を走ってきました。

その名も「MANNO MOUNTAIN MADNESS(マンノ マウンテン マッドネス」略してMMMです。この大会にはショートコースとミドルコースがあるのですが、今回は自分最長への距離の挑戦としてミドルへ挑戦してきました。

この大会の特徴はなんといってもスタートが深夜の1時だということです。サハラマラソンでも90km近い距離を夜通し走る「オーバーナイトステージ」というのがあるのでその練習も兼ねていました。普段の練習ではなかなか夜中にヘッドライトの明かりだけを頼りに走るということはないので、とてもいい経験になりました。

大会概要

ミドルの距離はショート:約40km(獲得標高約2,800m)を2周するというものです。なので距離は約80km、獲得標高は約5600mとなります。今まで自分が走ったトレラン大会の再長距離が59kmで獲得標高が2400mなので、自分がこれまで経験したことがないハードなコースとなりました。

タイムは16時間11分30秒、総合順位は74人中33位でした。完走証のデザインも独特でカッコいいです。

そしてなんといっても今回の大会では会社の同僚が送迎を申し出てくれたのが一番嬉しかったですね。サポートクルーとして誰かについてもらうのはこれが初めてでした。レース会場へ行くには車が必須で、レース終了後に無事に帰れるか心配だったので本当にありがたいとしか言いようがありません。

今まではレース動画は完全に自撮りだけでしたが今回はスタート前、中間地点、そしてゴール地点の映像を撮ってもらえました。

レースレポート

レーススタート前に集合写真をパシャリ。

ぼくは足が速いわけではないですが、少しでも目立とうと思い写真だけは最前線で写ってみました。センターでしゃがんで写っている男性がぼくが勝手に心の師匠と決めている井原知一さん。日本を代表するトレイルランナーで、今回の大会のゲストランナー。その左側にいるのがぼくです。

スタート3秒前です。

この時にかかっていたBGMはクイーンの「ウィ・ウィル・ロック・ユー」。まさにこれからハードなレースに挑むには最適な音楽です。自然とテンションが上がります!

スタートが深夜一時なので日が昇るまでは頭につけたヘッドライトの明かりを頼りに山道を進みます。いきなり急登があり体を慣らす暇もなく息が上がる。

第一エイド付近の自分。まだこの時は元気。

四国ならではの補給ドリンク「うどんだし」。これがめちゃくちゃうまかったです。疲れた体にも優しく染みわたります。

一週目が終わってスタート地点付近の道路に降りてきたところ。かなり天気が良くて気持ちがいい朝でした。空気が澄んでいるので山並みもとても綺麗です。

朝の8時頃に一週目終了。朝早いにも関わらず現地で待っていてくれた同僚に感謝。なんと暖かいコーンスープと朝ごはんのパンを買っておいてくれました。誰かが待っていてくれて応援してくれているだけでめちゃくちゃ力が出ます。この時飲んだコーンスープが最高に美味しかったです。

体のダメージとしては、酷い腰痛、膝痛、足も軽く捻挫していました。この時点で同じコースをあと一週してゴールできるイメージはありませんでした。

一週目はトレランシューズを履いていましたが、ここでワラーチには履き替えました。膝がかなり痛くなっていたのでこのままシューズを履いていたら走り切れないと思いました。普通に考えたら靴を履いていた方がダメージは少なそうですが、ぼくは何故か靴を履いて走るとすぐに膝が痛くなってしまうんです。なので半分経過したこの時点で履き替えることを決断しました。

二週目を出発する直前。これからちょっと川に遊びに行くような格好です。笑

スタートすぐにある鳥居?神社?のような建物。

コース上にはいがぐりが大量に転がっています。これがほぼ裸足のワラーチの足に刺さりまくってめちゃくちゃ痛かった。

ゴールの瞬間。極度の寝不足と足の痛みで本当につらい戦いでした。ワラーチに履き替えてからは膝の痛みの悪化は防げましたが、足裏の痛みは激化しており最後の数キロはほとんど走れませんでした。

やっと終わったという安心感から自然と顔が笑顔になります。

ゴール後の砂でどろどろに汚れた足。

完走したことはとても嬉しかったのですが、疲れすぎてうまく笑顔が作れていません。笑

レース後の率直な感想

辛さの向こう側にはいけたが痛みの向こう側を体験する前に終わった感じです。

いきなり意味不明ですいません。笑

今回のコースは今までとは比べ物にならないくらいキツくて、足の筋力を綺麗に使い切ったと言い切れる大会でした。もう怠いとか疲れたとかそういう次元を通りこしていたにもかかわらずまだゴールはだいぶ先という絶望感を味わいました。

1周目終わって、2周目出発したあとも足が痛すぎて全く走れずリタイアする言い訳ばかり考えていました。この時点ではゴールできるイメージも全くなく絶望を味わいました。

でも疲弊しきったからこそ見えた自分の強さもありました。それは登りの粘り強さです。後半はワラーチに履き替えたので平地や下りを早く走ることはだんだんと難しくなっていきました。その変わり、力をほとんど使わずに登りを一定の速度で登り続けるコツのようなものを掴んだ気がします。疲れ切りすぎて逆に理想的な足の使い方が自然とできるようになった感覚です。

人生初の幻覚を見る体験をする

深夜一時スタートだったのですが、レース開始前にほぼ寝ることができなかったためゴールした時点で30時間以上起き続けていました。睡眠不足に加えて今まで経験したことがない激しいコースで肉体的にもかなり消耗しており、色々な意味で限界に近い状態だったのは間違いありません。他の人の場合はどうか分かりませんが、その時の幻覚の見え方には4段階の変化がありとても面白かったのでちょっと紹介します。

第一段階

幻覚を見始めたのはゴールまであと15km地点くらいからでした。

まずは小動物が見え始めました。ネズミから始まり、ウサギやアヒル、イノシシなどがコース上に現れだします。近づいていくと切り株や落ち葉の塊なのですが、それが見えた時はとてもリアルで近づくまでは幻覚だとは気付けません。ただイノシシに関しては実際に一度本物を見かけているので実はリアルだったかもしれません。笑

第二段階

より体の状態が悪化してくると山の中には絶対に存在しないであろう建物が見えだしました。

具体的にいうと四国の山奥であるにも関わらず、近代的なガラス張りの高層ビルが木々の間に見え隠れするようになりました。これも普通ならありえないのですが、その時は区別できません。近づいていくと細い枝などが格子状になっているだけだったりするのですが、脳が勝手にそれを窓枠だと認識して処理している感じですね。

第三段階

この辺りから遂に存在しない人間の姿が見えだすようになります。木の間からこちらを覗いていたり、コース脇の谷底の下に何かをしている人の姿が見えだしました。普通に考えると心霊現象と大して変わらない恐怖体験なのですが、とにかく思考力が低下しているので良くも悪くも何も感じません。笑

第四段階

最終段階として遂に幻覚が動き始めます。

ゴール直前に長さが15mほどの短いトンネルがあり、その向こう側の出口付近でこちらに向かってゆっくりと手を振ってくれている人が見えました。初めはてっきり大会のスタッフの方か地元の人が応援してくれていると思い、こちらも手を振り返して近づいていきました。

こういう大会では応援してくれる人の声援などが何よりも力になりますからね。

「あー、応援してくれている人がいる!嬉しいなぁ」と思いながら近づくとその人はふわぁっと消えていきました。そこでやっと幻覚を見ていたのだと気付いたのです。今回の大会はまだ80kmと超長距離とは言えない距離ですが、100kmや160km越えの大会に出る時は基本的に24時間以上動き続けることになるので幻覚や幻聴とはこれからもっと仲良くなれそうな気がしています。笑

まとめ

サハラマラソン対策として、自分が出場できる大会でできるだけハードなものを選んできました。もともと運動習慣もなかったし、年齢的にも若くはありませんが確実に成長は実感できています。

まだまだ先と思っていたサハラマラソン本番ももうすぐです。サハラ本番は走力だけではなく、食事やレースマネジメントなどの全ての能力が必要となります。

とにかく絶対に完走はできるように頑張ります!

最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。

次回は、2023年11月19日の10kgの重りを背負って走るフルマラソン、2024年1月6日に岐阜で行われる100マイルレースのレースレポートとなります。

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