お疲れ様です。
柾木です。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回の冒頭小話は、サハラ挑戦をきっかけに人生から「自転車」を断捨離した話にします。
意味分からんと思われるかもしれませんが本当です。笑
正確な日にちは覚えていませんが、2022年の9月ごろにはもうさよならしていたと思いますのでこの記事を書いている時点(2023年9月30日)で既に一年は自転車に乗っていません。
自転車とさよならするきっかけはサハラマラソンへ挑むことになり、ランニング練習を初めてすぐの時に起こりました。
練習のために近くの河川敷へ自転車で行こうとした時、自宅から2分ほど進んだところで自転車のチェーンが切れて乗れなくなってしまいました。
普通に考えればただの経年劣化です。
ただぼくはこれを「移動も全て練習に変換せよ!これから移動手段は自らの足だけだ」という神様のお告げ?だと勝手に判断しました。笑
そしてそれを機に自転車を卒業することを決意したのです。
逆に言えばサハラマラソン挑戦はそれくらい真剣に取り組んでいます。
さて、前置きが少し長くなりましたので本題に入ります。
サハラマラソン挑戦への練習として今回は六甲全山縦走路を走りました。
夏の暑い時期にあえて走ろうと思ったのも、次に走る京都一周グランドトラバースというレースの練習と、サハラマラソンの暑さ対策にはちょうど良いと考えました。
今回の練習の目的
ただ単に走りにいくだけは勿体無いので常に何か自分に課題を与えるようにしています。
今回は3つのことを検証しました。
- トレイルランシューズの履き心地
- 補給食テスト
- 暑さへの耐性作り
特に意識したのは食べ物です。
自分は胃腸が弱くて、普通に売られているレース用のジェルなどが苦手で体が弱ってくると胃が受け付けなくなり食べられなくなってしまいます。
距離の短いレースだと多少食べなくても問題ないのですが、年内に挑戦するレースが59km、80km、160km、100kmと割と長いです。
ここまでの距離を走ると体に蓄えることができる以上にエネルギーを消耗するので、レース中にいかに補給できるかが生命線となります。
なので体が極限状態でも食べれるものを見つけておくことは、トレーニングするのと同じくらい重要なことなんです。
六甲全山縦走路とは?
六甲全山縦走コースは、西は須磨から、東は宝塚まで、六甲山系の尾根伝いにのびるハイキングコースです。
コースの距離は公称56km、最も高い山は六甲山で、山頂の高さは931.3メートルとなります。
ハイキングコースとしてはとても有名で、ハイキングからトレイルランまでさまざまな大会が開催されています。
コースとしてもバラエティに富んでいて、須磨アルプスで有名な名勝「馬の背」なども通るのでスリルも味わえます。
今回走ったコースは正規ルートよりも少し距離が短くて49.97kmでした。
ネットで調べると正規のルート以外にも、色々なルートがあってその中から走りやすようなものを選んで腕時計のGPSに登録しました。
実は、正規ルートよりも長い60kmのルートを走ってやろうかと企んでいましたが今思えばやめて正解でした。
今回のルートでもゴールする頃には消耗し切っていたので、これよりも長い距離だと途中で諦めていた可能性もあります。
↑上の画像が実際に走り終わった後の記録です。
コースの特徴として、途中市街地の中を何度も走るので、途中で飲料水や食料などの補給も可能で、苦しくなったらリタイアもしやすいので初心者にも優しいと思います。
あと、ぼくは漫画でしか読んだことがないのですが、新田次郎の小説『孤高の人』で知られる登山家、加藤文太郎のエピソードにちなんで整備された道のようです。
須磨に住んでいた加藤文太郎は、わずか1日で須磨から宝塚まで歩いて、さらに須磨まで歩いて戻ったというとんでもない逸話が残っています。
今はまだ須磨浦公園駅から宝塚駅に到着するだけで死にかけた私には到底想像もできません。
自分にもっと力がついてきたら六甲縦走路往復(100kmくらい)は挑戦します!!
当日の天候
走った日:2023年7月29日
天気:晴天
温度:最高気温は32.6°・最低気温が27.5°
天気はほぼ晴天だったので、景色も遠くまで見渡せて最高でした。
太陽光も強烈だったので体感温度は当日の気温より高く感じました。
朝9時の段階で既に太陽がギラギラと照りつけ汗が止まらなかったです。
練習とはいえ無事に完走できる根拠や自信はなし。
というのもこの挑戦の少し前に走ったフェアリートレイル(40km)ではゴール後は、ヘロヘロになるまで体力を使い果たし、嘔吐を繰り返してまともにものを食べることができない状態まで追い込まれていましたし。
今回はレースではなく練習でしたが、この時点でトレイル(山)を走る距離としては最長の挑戦となります。
人間、やってやれないことはありません!特に走ることに関してはハートの強さが何より大切です。
初めてトレランシューズを走ってみた感想
当日の装備で新しく試してみたのは、トレイルランニング専用のシューズを履いて走ったこと。
そもそもトレランのレース2本走っているし、山での練習もゴリゴリにしているので今更感は否めませんが今回初デビュー。
シューズは9/2に走る京都一周グランドトラバースという大会用で購入。
前回出走したフェアリートレイルには普通のマラソンシューズを履いて行ったのですが、靴底にローラーがついてんのかと思うくらい滑りまくり、何度も尻餅をつき転倒したので流石に専用シューズいるということで購入を決意。
いやまぁ常識的に考えたら購入を決意するタイミング遅いんですけどね。笑
今回購入したのは、[イノヴェイト] トレラン シューズ PARKCLAW 280という靴です。
このタイプで¥20,900 税込。
専用シューズはやはり少しお高い。。
でも当たり前ですが、マラソンシューズとは違いグリップ力が段違いにあるので登りや下りが多い山道ではとても走りやすかったです。
滑りにくので特に下りでは真価を発揮しましたね。
割と突っ込んだスピードでもしっかりとグリップが効くので気持ちよく走れました。
補給食テスト結果
補給食についても色々と実験できたのが良かったです。
初めの方でも書きましたが、今まではよくあるレース用のジェルを多用してました。けどもともとあまり体と相性が良くなくてすぐに胃が受け付けなくなっていました。
そこで今回は、ジェル以外のリアルフードを沢山持っていって自分に合うものは何か改めて人体実験してみました。
この中で自分的にヒットだったのが、どら焼きとチョコチップクッキー、ラムネでした。
体力的にかなり削られた状態でも食べることができたし、満足感も得られました。
ラムネも甘すぎず、気分転換的にもなったので良かった。ブドウ糖もたくさん取れるので脳への栄養補給もできますしね。ただし、走る度にジャラジャラと音がうるさいのがちょっと気になりました。
逆に意外と無理だったのすっぱい干し梅。
もともと梅干しは好きだったし甘いものばかりだと飽きてくるのでアクセントとして購入。元気な時は美味しいけど、体力の限界を超えた時食べると酸味すらしんどくなってきて後半受け付けなくなりました。
一番苦手だったのは羊羹シリーズ。
もともと羊羹はあまり得意ではないけど、割と他のランナーにも人気があるようなのでとりあえず試してみました。
結果的には自分にとっては甘すぎるのと、当たり前だけど常温の生暖かいプルプルした食感が気持ち悪くて食べれませんでした。(ちなみに冷蔵庫で冷やしたのは美味しかった)
チーカマは良くも悪くも普通だったけど、リピートは無いかなというレベル。
チョコレート系は夏場は溶けてまともに食べれないので除外。
この時も大丈夫かなとは思って持ってったけど、食べようとした時半分液状になってました。(まぁ無理やり食べましたが)
ここまで補給食でジェル以外を試したことがなかったので今回とても良い実験になりました。
デメリットとしてはだいぶかさばるですけど、食べれないよりはマシなので今後このスタイルになりそうです。
暑さ対策
当日はあえて涼しい早朝を避けて少し遅い時間からスタート。
真昼間の一番温度が上がる時間帯も走り続けれるようにしました。サハラマラソンの暑さ対策です。
熱中症にならない強い体作りも兼ねてやってみましたが、振り返ってみると普通になってたと思います。笑
熱中症により、途中で完全に潰れました。
でも今振り返ってみるとこの時に、潰れた経験をして良かったと思ってます。
これ以降も夏場のハードなレースに2本ほど出たのですが明らかに暑さに強くなっている感覚がありました。
やはり人間の体の適応力は素晴らしく、適度に痛めつけてあげるとまた同じくらいの環境になっても耐性が少し上がっていくことを実感してます。
水分補給の新しい発見として、自分にはアクエリアスよりもポカリスエットの方が体に合うのが分かりました。
今までは何も考えずにとりあえずアクエリアスを持って行っていたのですが、途中でポカリスエットを買って飲んだみたところめちゃくちゃ体に吸収されていく感じがありました。
もちろん季節やその時の体の状態にもよるので一概には言えませんが、特に汗をかきやすい夏場はポカリスエットの方が自分には良さそうです。
今回の練習で得た貴重な体験
練習で初めて、体のエネルギーを使い果たすまで体を追い込めました。
レースでは完全にエネルギーを使い切ってもそこからもう一踏ん張り、時には二踏ん張り、三踏ん張りと歯を食いしばって先に進まないといけない場面が多々出てきます。
その状況は一人練習ではなかなか再現できない(大体そうなる前に練習をやめてしまう)ので今回は貴重な経験がでしたね。
その時の体の状態はランニングウォッチが細かく記録してくれているので、具体的なグラフとしても見ることができます。
緑の線は高度、オレンジ色の部分がスタミナを表しています。
面白いことに体感的に、限界を迎えたタイミングとデータ上でエネルギーが切れたタイミングが一致しています。この測定機能って本当に凄いです。
グラフを見ると六甲山の最高峰に到達する直前で完全にガス欠になり、そこからはスタミナゼロでゴールの宝塚駅まで走り切っています。
これが本当に面白いんですよね。
人間本来の強さや生命力、その人が持つ精神力が引き出されるのは、まさにこの一般的に考えれる体の限界を超えた先からなんです。
体が消耗し切ると自分の弱い部分が露骨に出てきて、ネガティブな感情で頭がいっぱいになります。
どんどん噴き出してくる弱くネガティブな感情を精神力で律しながら、同時に激痛を訴え続ける体を制御する必要があります。
これはとても大変な作業ですが、うまく制御できるようになると余計な雑念が消えていき周りの空間に溶け込んでいくような感覚を味わえます。
肉体的にも精神的にもあまりも辛すぎて先のことが考えられなくなるからこそ、強制的に「今この瞬間」に集中できるようになってきます。
頭が真っ白になってただ動くことにだけに意識が向いていく感じ。
これがもしかすると「ゾーン」っていうやつかもしれません。
まとめ
細かく書けばキリがないので、サクッと要点だけ書いてみました。
今の自分が限界だと思っていることの少し先に目標を置くととても学びが多くて楽しいですね。
まさか自分がここまで走ることにハマるとは思ってもいませんでした。
練習では動画も撮影していて、そちらも編集してそのうちyoutubeの方にアップする予定なので気にある方は覗いてみてください。
今回の練習では、自分は補給食は普通のコンビニで買えるようなジェルやパン、クッキーなどが一番適していること、そして自分が思う限界はあくまでも一つの基準でしかなく、もっと秘めたる力を出せることが分かりました。
次回のレースは「京都一周トレイルグランドトラバース (59km)」です。
また経験したことがない道の距離への挑戦となります。どんな苦痛と苦難が待ち受けているのか。
そして自分はどうやってそれを乗り越えていくのか。
それを想像するだけで今からワクワクしてきます。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございます。
まだまだ限界への挑戦は続きます。
引き続き応援よろしくお願いいたします!!
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