お疲れ様です。
柾木です。
皆さまいかがお過ごしでしょうか。
今回は記念すべき初100kmウルトラマラソン完走した時のことを書いていきます。
ウルトラマラソンとは、フルマラソン(42.195km)以上の距離を走るマラソンのことです。
初めて完走したウルトラマラソンは2023年4月2日に開催された、
淀川の河川敷25kmのコースを4往復するものでした。
OSAKAウルトラマラソン2022-23春 ←大会リンクはこちら。
興味がある方は是非参加してみてください。
制限時間が一般の100kmより長いので初挑戦にはおすすめです。
ちなみに2023年9月17日(日)に走る第21回丹後100kmウルトラマラソンは、ランニングシューズではなく「ワラーチ」という手作りのサンダルで走ります!
ショック吸収力がほぼ皆無のペラペラのサンダルを履いて走ることで、人間本来の走り方を身に着けることができるようになるらしいです。
どうせやるなら同じ条件でやっても面白くないので、さらに負荷を追加した形ですね。
帰宅ランなどで職場から自宅まで上の画像のワラーチを履いて走って帰っていますが、
今のところ全く問題はありません。
ワラーチで走るとどういう効果が出るかはここで書くと長くなるので、
別の記事でご紹介したいと思います。
これを履いて走り続ければ狩猟民族時代の原始の走りを取り戻せるかも!!笑
すいません、脱線し過ぎたので話を戻します。
初ウルトラへの意気込み
自分の中では100kmのウルトラマラソンはサハラマラソンへ挑戦するにあたって最低限クリアしておきたかった目標でした。
サハラでは灼熱の砂漠を250km走るのだから、平地を走る100kmのウルトラマラソンなど楽勝で完走できなければ話にならない!そう思って命をかけて挑みました。
大会の制限時間は15時間だったのですが、結果は割とギリギリの14時間19分でした。
過去の挫折
実はこの挑戦の前に80kmのウルトラマラソンに勢いで申し込み(2022年11月27日)、完走できずにリタイアしています。
練習不足もあり、序盤の25km地点で足に力が入らなくなり、まともに走れなくなりました。
初めは踏ん張れないだけで無痛だったのですが、そこから数キロ走ると膝に激痛が、、、、症状はどんどん悪化していき数センチの段差すら乗り越えられないような状態になってしまいました。
さらにそのあたりからルートを間違えており、知らない間に大幅にコースアウト。。。
コースアウトに気づいた時はすでに手遅れな場所まで来ており、大会の緊急連絡先に棄権の連絡を入れました。
そこから足をひきずりながら折り返しの中間地点までなんとか辿り着きリタイヤしました。
今思えばルートを間違えていなくてもあの足の状態では到底完走はできなかったでしょう。
レース前は、完全に練習不足なのになぜか完走できる自信がありました。自分は根性はあるからなんとかなる!と信じていました。
ただ現実は甘くはなかったのです。肉体的にもですが精神的にもまだまだ未熟でした。
レース後は悔しい思いもしましたが、それよりも得るものが沢山ありました。
実際やってみたことでリアルな自分の体のレベルが分かり、どういう練習が必要なのか、何が足りないかが明確になりました。
結果だけ見れば80km挑戦は「失敗」となるかもしれませんが、ぼくにとってはウルトラ完走に向けての経験値をたくさん得られたので、挑戦して本当に良かったと思っています。
リベンジで100キロに挑む!
80kmでリタイアしたら、次の挑戦はより完走率を上げるために距離の短い大会にエントリーするのが普通でしょう。
だけど気づいた時にはリタイアした80kmウルトラのリベンジとして、何故かもっと距離の長い100kmの大会に申し込んでました。笑
なぜより難易度が高い100キロに申し込んだのか?
それはできない言い訳や、サボる口実を作る隙を自分に与えたくなかったからです。
ぼくは自分の意思の弱さを自覚しているので、短い距離を申し込んだらその分練習をサボることは明白でした。
それも踏まえて、ハードな練習をせざる得ない状況を自ら作り、追い込む方法をとりました。
さらに申し込むだけではなく、周りにも参加することを言いふらし完走を公言し、楽勝だと言い切りました。
本当に意思が弱くすぐにさぼってしまうのでこうでもしないと本気で物事に取り組めないんです。
練習について
ある程度追い込んで練習したつもりだったんですが、改めて書き出してみると正直全然足りてなかったですね。
2022年12月 93.3km
2023年1月 198.3km
2023年2月 185.1km
2023年3月 92.5km
本番までの総走行距離:569.2km
ネットで調べた、一般的な人が100キロマラソンを完走するために必要な練習量は月間200~250kmを目標だと言われています。
大会までの4ヶ月の走行距離を見るとちょっと標準よりは少なく感じます。
逆にいうとその状態でも完走できたので、一般常識的に言われている練習量や方法はあくまでも基準の一つに過ぎないことは分かりました。
これはウルトラマラソンだけではなく、フルマラソンなどでも言えることだと思います。
最終的に精神力は肉体を凌駕します。常識的な基準にとらわれて、それを自分の限界と勘違いしてしまうのはとても勿体無いです。
まずはとにかくやってみる。そこから得た経験こそが真実です。
自分が満足な練習ができないまま100キロを完走した時に何が一番大切だったかというと「最後まで諦めない気持ち」だけでした。
ウルトラマラソンで有効だった思考法
足はスタートして30キロ地点で限界を迎えていました。膝の痛みは激化し、足元はフラフラ。
レース当日は気温が高かったのもあって軽い熱中症のような症状も出ていました。
途中のエイドステーションでいくら水分を補給しても、数分後には口の中がカラカラになる状態がずっと続きました。
でも汗は滝のように出続ける。。。
体は早々に限界を迎えて悲鳴をあげ、精神もそれに引っ張られてどんどん弱気になっていきました。
中盤以降は食べ物も喉を通らなくなり、ずっと胃が気持ち悪い状態が続きます。
終盤になると食べ物どころか、スポーツドリンクなども気持ち悪くて飲めなくなりました。
この状況を常識的に考えると、早々にリタイアするのが普通だったかもしれません。
ただぼくは自分に負けたくなかった。とにかく今できることは何か考えました。
そこで行ったのが思考パターンを変えていくことでした。というか思考の断捨離というイメージです。
ゴールまであと〇〇キロという思考パターンを放棄、とにかく一歩ずつでいいので足を前に進めることだけに意識を集中します。
体の痛みはとにかく一旦抱きしめる。
ゴールしない限り痛みを消すことはできないので拒絶するよりも受け入れた方が何倍も楽なのです。
夜の闇の中で己と向き合う
制限時間ギリギリのゴールだったのもあり、最後の20キロ地点くらいから前後に人はいなくなりました。
時間も遅くなり、日も暮れ始めてあたりはだんだん薄暗くなってきます。
完全なる孤独。
膝は曲げると激痛が走るので、軽い屈伸すらまともにできない状態。股関節も動かすたびに刺すような痛みが走ります。
当然まともなフォームでは走れず半ば足を引きずりながら進むしかありません。
まともに補給もできていないので、体のエネルギーは枯渇し頭もまともに働きません。
ただ一つ良かったのは夜になるにつれて気温が下がり、熱中症のような症状は緩和されたことでした。
制限時間的には、走り続けてギリギリ間に合うかどうかの瀬戸際。
ただ不思議とここまでくるともうリタイアしようという気持ちはありませんでした。
何がなんでも完走する、たとえここで足が壊れても這いつくばってでも完走してやる!という闘志が沸々と心に湧き起こっていました。
今思えばこのあたりから精神力が肉体の痛みを超え始めたんだと思います。
極度の疲労から思考はシンプル化され、余計な雑念は消えていきます。とにかく一歩足を前に出す。一歩出したら次の足を出す。
そうしてすっかり日が暮れた闇の中を進んでいるうちに、ゴール地点の明かりが目に入ってきました。
達成感の向こう側
満身創痍でなんとかゴールすることができて、まず思ったことが「一刻も早く家に帰りたい」
でした。
こんなことを書くと興醒めかもしれませんがそれが真実です。
ゴール後に感動して涙を流したり、とてつもない達成感に心が満たされる、、、
残念ながらそんなことは一切起こりませんでした。笑
恐らく感動することや、達成感を感じること自体にも体力がいるんだと思います。
その時のぼくは文字通り全てを出し切っていたので、辛い以外の感情を味わう余裕すらありませんでした。
完走した喜びは翌日、体力が回復し始めてからほんのりと感じたくらい。
達成感よりも強く感じたのが、「生きている実感」でしたね。
自分は生きている!っていう強烈な思いが心を満たし、それに伴って全身に力がみなぎってくるような不思議な感覚。
自分がこの安全な日本で、毎日を無難に生きている時に感じる「虚しさ」と正反対の感覚。
なんでわざわざ辛くて苦しいことするの?という質問をよく受けますが、
これが答えかもしれません。
自分は生きているんだ!という強烈な命の実感を感じることができるから走る。
ちょっと熱量込めすぎて長くなりすぎましたが今回は以上となります。笑
サハラまでまだまだチャレンジは続きます。
今後とも応援よろしくお願いします!
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