2007年4月1日
2007年4月1日
昨日までのテーマは少し置いておいて。
さて、先日「KOBE証券」で書いた記事の続報。
社名も新たに「インヴァスト証券」でスタートするみたいです。
ホームページデザイン、もう少し頑張って欲しいなぁ。テンプレートそのまま使っている感じ。ソースはきれいだけど、見る人を惹きつける何かテーマがないとこれからネットで手を出す時に苦労しそうだ。
「自分が証券業で今戦えるならこうする!」ってアイデアやビジョンは昔から常にあって、ちょっと期待をこめて石井さん宛てに就任祝いと共にA4二枚のアイデアソースを書いてみた。日向の事なんか忘れているかもしれないけれど、一つでも響くものがあったら嬉しいと思う。
何はともあれ4月1日。ヒトのビジネスを気にしている暇なんて全く無くて、当社も新しい案件や展開を控えて準備に追われているところ。
年度の初めというのは、色々楽しみな事が多い。
はりきっていくとしようか!
2007年3月31日
さて、何日か起業当初から考えていた事を回想してきたのだけど、徐々に「これから」を考える人たちに何かしらのメッセージになる形で伝えていけるといいな。
まず自分の「資本」を考える事。これを増やす事を考える事。
経営って会社トップだけが考える事じゃないのだ。働く人もそうだし、一家を支えようと思っている人もそう。一人で経済的な自立をしようと考えている新入社員にだって必要な事だ。
とりあえず、「経営」に興味を持っている人に絞ろう。私は起業を考えるなら「自分経営」から入るべきだと思う。
「資本」って今持っている貯金や現金を思い浮かべるよね。実際はここからローンやら借金を引いたものを資本って考える。
ここが現時点で大きくマイナスの人は一部の例外を除いて経営者には向いてない。いきなり30年くらいでローン組んで新築マンション買っちゃう若夫婦や給料もらい始めてすぐ新車買っちゃう新入社員は経営ビジョンは多分全く無い。例外というのはそれを使って収益を生む仕組みを考えている場合で、貸借用だったり広告用だったり信用を生むためのハッタリだったり、何か指針があるならそれはそれで良いのかもしれない。
なんにしても、資本がすでにマイナスという事は、現在は過去のマイナス資本=借金をクリアするために稼がねばならない。その借金によって何かしらの「収益を生む権利=貸し出す権利やら配当を受ける権利」を買ってないとしたら、稼ぐ方法は労働力に限られて、毎日労働力という自分の貴重な人生の時間を過去の清算に当てなきゃいけなくなる。
経営とは?というと、いろんな側面から答えがあると思うけれど、「投下した資本に対する利益率を上げていくこと」が原則だ。経営者が会社から受け取るのは「労働に対する対価としての給料ではなく、経営に対する報酬」になるよね。だから経営者を夢見るのなら、現在以降の未来に投下できる資本が必要になる。現在既に過去に追われているとしても策はあるけれど、ゼロ以上の状態であればその資本を今度はどう投下するかといった感じで考えていかなきゃならない。
資本投下するなら収益率のいいものに投資したい。これを投資家の「期待収益率」っていう。経営者はこの期待収益率を上回る投下資本利益率を実現していかなきゃいけないわけだ。上場企業のように投資家と経営者が別れているときは、それぞれ思惑があり、結果が出て、責任を取る。
起業家というのは、投資家=経営者ってのが一般的なのでこのあたりは好きに出来る。自分経営というのももちろんそのあたりは自由だ。経営であるかぎり利益を上げて資本を増やす・・というのが目標だが、豪遊しようが豪邸を買おうが関係者により多くの金額を支払おうがそれはそれでいい。しかし、資本が利益を上げ資本自体が積み増されるというのが、経営や投資の原則。
たとえば。
私が前いた会社の仕事は「オンライントレード」の仕組みを作ることだった。インターネットを使った株式の取引が出来るようになって、取引コストは激減した。投資家の期待収益率はその分上がったんだけど、「デイトレーダー」という毎日トレード画面に張り付いて取引する人たちが増えた。あれは、投資家じゃない。絵に描いたような完全無欠の労働者だ。結果、取引コストってどう考えても彼らは上がっている。彼らもきっと経営には向いていない。
私は、昔の証券会社が謳ってた「長期投資はリスクが減ります」っていいながら、ド高い手数料を徴収している、自称証券アドバイザー(営業マン)経由の取引を嫌ってオンライントレードの企画に熱中していた。
だから殆どの当時の同僚は私を「短期デイトレ志向」と思われがちだけど、「お金自身がお金を生むシステム」が成り立たないデイトレについては、私は「投資」とはとてもいえないと思っている。投資家に労働力コストを負担させる「デイトレ」は営業マンの労働力コストを負担させる「営業マントレ」と同じくらい嫌いな投資法なのだ。
ま、ドキドキする博打的な意味では刺激があっていいと思うけど。。
さて、自分経営に戻るけれど、「では労働力以外で資本を投下すべき先は?」とくると何か必勝法があるような答えを期待するかもしれないけれど、そこから先は「自己責任」の世界が待っている。
このアドバイスはずるい?
ずるくない。本当にそうなんだ。投資にしろ経営にしろ責任の所在は常に自分にある。
大切なのはそのアドバイスをもらう先で、鉄則は「販売者に聞いてはいけない」という事。
売買手数料で事業しているブローカー(証券や保険や不動産の営業マン)にアドバイスを聞いてはいけない。
相対売買(客が存したら儲かるような売買)で事業している商品デリバティブ等の先物会社にアドバイスを求めてはもっといけない(笑)
アドバイスを受けるべき先はその業界で実際に戦っている投資家か経営者であるはずだ。
私に相談してくるとしたら、・・うーん。
また長くなりそうなので、今度続き書きます。
2007年3月29日
さて、創業当初の話をつづっていて少し振り返ると、当時は私もみんなと一緒に殆ど現場作業員として出動していた。・・今もよく出ているけれど。
ワーカーの生む金額というのは分かりやすい。一案件、あるいは一日いくら、一ヶ月いくらという形の請けた金額から参加した人数や日数などを割っていけば一人あたりの労働でいくらの金額が上がったのかわかる。
一人親方っぽく数人でやっているうちはそれだけで分配していけばよかったのだけど、人数が膨らんでくれば口をあけているだけじゃ仕事は来ないし、事務手続きも煩雑になる。募集をかければ広告費もかかるし、最低限の品質を提供する為には教育だって必要になる。
そこには「コスト」がかかるのだという事の意味の重さを人数が増す毎に感じるようになった。
当社は今でも「売上」を一番の経営指標にしている。
日単位で払っているスタッフもいるので、その人達にも生活できる最低限支払える仕事のボリュームを確保したい。
一方で、自分がワーカーでなくてもまわるだけの利幅は確保したい。
最近スタッフの一人に「僕が働く事でお客様から戴いた金額が報酬以外の何に使われているか見えない」といわれた事がある。
営業しなければその仕事は取れないし、請求しなければ会社に入金は入らない。計算し、振り込まなければ給料という形でみんなの手元にいかないし、必要に応じて金融機関からの融資を受けるための交渉は安定した経営に欠かせない。そのコストを負担する「お金を生むシステム」を作るために売り上げた金額からみんなの報酬を引いて残ったお金は使われている。見えない、というのは大きなショックだった。
最初は私が実作業をこなしながら、真夜中までかかって一身にそのシステムを担った。
次に私が実作業からある程度はずれて、そのシステムを担った。
そして今、事務所を移転し、業務委託として各案件毎に協力してもらっていたスタッフを正規に雇用し、私が担っていたシステム部分を人に伝達できる体制を作っている。
会社ってそんな感じのお金を生むシステムという側面があって、けしてそれは卑しいものじゃない。「利益」を上げるからこそ、みんなの生活も安定するし、より良いサービスを提供できるだけの体制も出来る。支払った税金で行政サービスも充実するし、インターンや講演を通じて産学で連携できる機会も作れる。
私は今、1千万もの資産がある。
30歳。貯金だったら見事なものだけど、殆ど全て一つの形を取っている。
それは、株式会社トライアンフという会社の株券の形。
上場もしていない流動性の無い状態で、未だ配当も一回も出ていない、そんな形。投資家としてはハズかしい程の一点投資。だけどだからこそこの会社は私の夢そのものだ。
創業時、私の手元には100万円があった。前職でいただいた給料と大学の頃からもっていた有価証券。
ワカモノっぽく車を買っても良かった。家を買うローンの頭金にしても良かった。
でも、使って消えるモノよりも、お金を生み出すシステムとしての「会社」が私は欲しかった。
会社が成長していく過程で、私もいくらかの給料を取った。
旅行に行ってもよかったし、夜な夜な豪遊してもよかった。
でも、使って消えるアソビよりも、夢を膨らませる「増資」に全てつぎ込んだ。それで会社が発展してみんながいい仕事できてお客さんもよろこんでくれて、そーいう事そのものが私自身の幸せだと思うから。
お金の使い方なんて、人それぞれだし、幸せの形もお金の有無じゃないと思う。私個人の例を出したのは、私が会社で上げた利益をどんな風に使う人かを分かってほしかったから。
だから、この記事を読んでくれている人達がそれぞれ「お金を生むシステム」を模索する事は悪い事じゃないと思う。というか、これが理解できないと会社の管理職とかに昇進しちゃダメなんだと思う。成果主義が浸透してきたらずっと初任給のまま・・。いくらお金のために生きているわけじゃないっていっても、それはちょっとって感じると思う。
最初はね。自分の持っている「資本」を考える事。資本って毎月の給料の事じゃないよ。貯金の額でもない。
簡単に言うと、「貯金(とかお金に変えられる権利もん)−借金」。これを大きくマイナスにしてはダメなのだ。できれば膨らましていく仕掛けを自分なりに考えなきゃ。
うーん。長くなりそうなので、続きはまた書きます。
2007年3月28日
ちょろちょろと受けていた仕事の中にPCの設置・設定がらみのお仕事もいくつかあった。あるときお客さんに誘われて相談を受ける。
「もっといい人だけ、できればその作業期間固定にしてやって欲しいんだけど。それに僕もいつも現場に張り付いているわけにはいかないから、リーダーワークもやって欲しい。できれば来期も同じメンバーで引き受けてもらえると最初から色々教えなくても良いからありがたい。」
この声は今も業界の全ての人が望んでいる声だと思う。
我々の仕事は、もともとはベンダーのサービス部門・サービス子会社自身がやっていたものだ。現在で云うと我々のお客さん自身が行っていた仕事。それがバブル処理後期で人員が削減し自前でサービスを全て行う事が困難になり、更に派遣業界が成熟してこの受け皿になった。あるいは運送系の会社が値引き競争を一巡させ、付加価値にシフトした結果、運んで更に設置設定までやるという部分まで担当するようになった。
お客さんのニーズはもっともだと思うけれど、我々がもらっていた金額は6千〜7千円/日。この金額では人は固定しないし、スキルの担保も難しい。そもそも運送をやっているにいちゃんに難しい事を望む事が間違っている気がする。派遣じゃリーダーワークは無理だし、この日暮階層のメンバーが来期どうしているかなんて本人すら予想できない。
最近、漫画喫茶を拠点に携帯一つで日暮をつづける若者の話をよくメディアが取り上げるけれど、パラサイトしていただけで私自身も含めてみんな似たような状況だった。こんな状態ではとても顧客ニーズを満たす事なんて出来ない。でも、ココを満たす事が出来れば、我々も安定した仕事や収入を確保していけるんじゃないか。
これが今の原点だと思う。
仲間に声をかけて、うちの会社で請けた仕事もやってもらうようにしていく中で、気を使ったことがある。とにかく皆びんぼーで、最初は即金で支払うようにした。最初はみんな知り合いばかりだけど「お金がちゃんともらえる会社」という事が何よりの信用となる。最初は殆ど会社の利益を気にしないで、皆が給料日まで待てる体力を作ることに専念した。そのうち支払日は月2回の締め後翌日払いとして、現在は月末締めの10日払いになっている。
一方でお客さん側の口座を作るのも大変だった。上場企業など大きな会社ではいきなり取引用の口座を作ってくれたりしない。まずは実績のある取引会社を中継して・・更にその下請けの下請けの・・といった感じで実際には個人事業主から報酬を受け取る事もたくさんあった。別にどこから振り込まれても良いような気もするのだけど、たくさん経由すると問題点が3つできる。一つ目は支払いの期間が長くなる事。どの会社もリスクをとりたくないから「受け取ってから次の支払日ね」って事をしているうちに実際にうちに届くのは何ヵ月後なんて事もあった。二つ目は各社に手数料として持っていかれて受け取る金額が目減りしてしまう事。これはフィールドワークしかしていない人にはわからないかもしれないけれど、事務だってコストがかかるから中間企業としても当然ある程度はコスト負担分欲しいのだ。三つ目は支払ってくれる会社や人の与信能力。小さい会社や個人事業主だとキャッシュが無いのだ。借金をしている場合もあるし、そうなると支払いの優先順位として我々の会社のようなポッと出の取引先なんて最下位にきたりする。実際に中々払ってもらえなくて危機的な状況になるというのは何度も訪れている。
今当社はキャッシュフローを強く意識した経営をしているので、多少の入金遅れはカバーしきれる。だけど最初の頃は、支払ってから入金確認できるまでの資金繰りが常に悩みのタネだったから、数十万の遅れが本当に恐ろしかった。
さっきちょっと確認したのだけど、初期の頃回収に相当苦労した借金漬けの個人事業主さんのホームページがまだ存在している。元気でやっているのかなぁ。
キャッシュの事で気になっていたのがもう一点。このことを書くと笑われそうなのだが、「予想外の残業」が恐ろしかった。今はスタッフの健康面が心配なので長時間労働や夜勤は出来るだけ避けるようにしているのだけど、当時は数人入っている現場で想定予算よりどんどん加算していく残業代が恐怖以外のなんでもなかった。
ビジネスではお金のやり取りが信頼関係の第一歩。私は怖い思いをたくさんしたので、当社の関係者には当社のせいで資金繰りに困るような思いはさせたくないな。ホントに、これだけは創業以来変わらない気持ちとして持ち続けている。
長くなったので、今日はココまで。
つづく。。