2008年3月14日
3月期なので、新規・切替の契約が多い。
重要な契約事項には、各社の経営トップやサポートしている役員が交渉を担当する。小さな会社では間違いなくそうだ。
会社規模が小さくて、積極的なところ、いわゆるベンチャーと呼ばれる会社集団には善良な会社もそうでない会社も話を寄せに来る。そしてそれは、とても見分けにくいものだと思う。
交渉を担当する会社役員には、非常に誠意があって善良な人が多い。自分自身も会社という多くの人が働く公器を運営する上には誠実でありたいと思っているので、おそらくどの会社の会社役員も、少なくとも自分の会社に対してはとても誠実だし善良だ。そして交渉の場にはその誠実さを精一杯示す。自分の会社のメリットになる事をしにきているのだから当然だ。
しかし、おそらくこれはどれほど悪辣な運営をしている会社どおしの役員交渉も同様なのだろうと思う。それはそれは、びっくりするほど人格者の話し合いになる。
そして、だからこそ普通の役員は一般社員以上に同義やモラルに敏感だ。しかしそれでいて、自社以外についてはドライに考えている経営幹部は結構多い。これは一極では実務的でドライであるために、「顧客に重点を置くために社員には我慢してもらう」「社員に手厚く報いるために、協力会社のコストは絞る」「顧客のためといって他のステークホルダーに迷惑をかけられない」といったそれぞれのバランス感覚が働くからだと思う。経営資源に限界がある限り、すべてを最高・大満足に持っていくことは出来ない。何を取るかは各社のイロともいえる。
役員商談はそのバランスがどちらに偏っているのか、どれだけ傾いているのかという事を見極めるところだと思う。それは、多分世間が感じている善悪二元論とは一番遠いところにありそうだ。
創業者にしてもその回りの役員にしても、殆どの会社はそれまでやっていた会社のスピンアウト組だと思う。会社を興すならそれが一番成功しやすい。お客さんかスタッフか、ノウハウか、何かを持っていればそのコネクションは創業後の一番の助けになるだろう。そしてそれこそが会社役員の考える根幹であることが多く、バランスの偏りもそちらに傾く。
だから会社のスタンスは経営者の経歴を見ることから始まって社歴や取引内容を見ていけばなんとなく伝わってくるものだ。
そんな中、うちの会社はちょっと異常だと思う。私の前職の証券には全く絡んでいないし、取引先も殆どがゼロベースから始まったものばかり。会社設立時には自分しかいなかったし、出資金も全額自己資金、コアで独占的な商材やアイデアがあるわけでもない。。全然しがらみがないし、一方で設立前から何かを共有して信頼に繋がる中心的なもの無いといえる。
だからこそきっと、バランスはまん丸に近い。
最初の話に戻って、そんなバランス型のうちが積極的に動いていると、様々な会社が交渉に来る。儲かるから自分のほうに傾かないかとお誘いもある。ボランティアみたいな、まぁ喜んでもらえるならいいかな、みたいなものもある。
会社の方針を決める交渉というのは、交渉の場所を離れるとずっしり疲労感を感じる。何件も重なるとクタクタだ。相手も実はそうなのかなぁ等と思いながら、今日も相手先の企業リサーチ。
普通の会社と良い関係がつくれればとりあえずそれで良い。望まれても超最高のサービスを提供はできないと思うし、でっかい儲け話も要らないので、良い関係を築くためだけに話し合うことができたらいいな。
2008年3月14日
久しぶりのエントリです。
今日は地元の中学校の「社会人に聞く会」で20分×2回のお話をします。
年度末の仕事に追われながらも、なんとか原稿や資料を作成し終わり、インターン生を相手に練習してみたり、準備は充分できました。
準備にあたり、「仕事とは」「会社とは」という根本的な問いを何度も自分に問いかけて、学生の頃に感じていた社会人像や会社員時代に感じていた働くことに対する不安や不満、創業したての頃の根拠のなさそうな自信などを振り返り、自分自身の積み重ねたものを客観的に振り返るいい機会になったと思います。
ちょうどこの3月という時期は、新規の契約が多数交わされえる時期でもあり、たくさんの会社と交渉するタイミングで、それぞれの会社の「仕事に対する取り組み」を汲み取る本当に良い感性のブラッシュアップになったと思います。
あと、数時間で中学校という何だか非常に懐かしい場所でこの一週間ほど考えていた事を伝えるのだけど、社会人になる事を「苦行」のように不安に思っている子供たちに、自分の生活の延長線上にある「楽しいことも悩んでいる事も普通にある日常」を伝えられたら良いなと思います。
そして新しい年度で新しいプロジェクトに参加する、うちの社員に対しても実は同じメッセージを発したいと思っていて、新規に一歩を踏み出す事は人生の中で普通に何度でもあって、越えるたびに新しい成長を実感してもらえたら会社にとっても自分のキャリアにとっても大きな一歩になると思います。
そういう働く人の事や働くという事をしっかり考えたいと思っている会社だからこそ、お客様との信頼関係の構築やしっかりした契約、プロジェクトの入口・出口戦略を大切にしていることを関係者全員に理解してもらいたい。
さぁ、夢を語りにいこうか。
2008年3月9日
たまには思ったことをつらつらと。
サービス品質の向上を考える時に、「誰か一人の圧倒的なスキル」に頼っていてはいけないのだ。確かにそれは見えやすい形での技術力って事で露出するにはいいのだけど、誰かに頼ったその人にしか出来ない技術は、組織的なサービスとしては良い物にならないはずだ。
それよりも、安定的で誰でもできる技術の底上げをして、「誰でも何時でも何処でも」を実現した方が圧倒的にサービスの付加価値を高める。
これは、大きな声で言えばサービサーの成長意欲も潰すし、ともすればお客さんも自分の関係する仕事枠内では一点高品質を望んでいるからニーズの逆行にも思える。
自分がマネージャとして社内の事を考えてみれば、スーパーエースに頼りきる構造がどれだけリスクの高い事かすぐに分かるだろう。
アウトソースやサービスになると途端にその危機意識が崩れるのは、コスト意識や労務の問題からお客さんが解放されているからだ。
普通の発想に基づけば、代替の利かないトップ営業マンや特定の一社のお客さんにのみ通じるSEなんていうのは、リスクの幅を増すばかりで、良いのはその人が稼動している瞬間とそのお客さんだけで、社内のリスク管理や会社対会社の信頼関係なんて野放しになっている状態だと思う。
だからここ暫くの経営戦略としては、誰でも何時でも何処でもを実現する為の底上げと、自分が代替の利かない営業者に陥らない事や特定の人が特定のお客さんにだけ提供できるサービスにならないように、業務の分担を進めてきたのだけれど、これが中々理解を得られない。
少数精鋭は危ないという意識を社員やお客さんが持てるかどうか、という問題は、きっと自分が考えている以上に難しいのだと思う。
2008年2月14日
今後事業を展開していくにあたって、どのような経営戦略を採ろうか少し考えてみた。
「アンゾフの製品・市場マトリクス」という考え方がある。当社では製品はサービスなのでサービスと置き換えて考えよう。
サービスと市場という二つの軸をそれぞれ、新規・既存に分けて4つのマトリクスとして考える戦略だ。これを当社に当てはめながら分析してみる。
まず、既存サービスを既存市場に入れる場合。販促を充実させたり、サービスを手厚くしたりして売上を伸ばしていく方針だ。今の軸足をしっかり固めて上を目指す。愚直だがローリスクで、この戦略部分は疎かに出来ない。
次に、既存サービスを新規市場に入れる場合。新しい地域を攻める場合がこれにあたるだろう。具体的にはお客様の要望が多く、最近提携パートナーが手厚くなってきた関東圏を狙いたいと思う。
そして、新サービスを既存市場に入れる場合。当社であれば有料紹介や派遣許可を使った人材サービスにあたるだろう。既存のお客様の様々なニーズに応える為にサービスの間口を広げてきた。段階としては質の向上やサービスの浸透にあたる時期に変化しつつあるので、「既存サービス・既存市場」に移行しつつあるところかもしれない。次策があるとすれば、関連する「運搬・廃棄」あたりになるだろうか。
最後に、新サービスを新市場へというオプションだが、これはまさに事業の多角化で最もハイリスクになる。だからこそ余力でやるべきものだ。
しかしベンチャーである以上は、やはり色々なプランを考えてしまうもので、手がけては進まないものもたくさんある。異業種交流会等にでるとそれこそアイデアは山のように・・・。
当社としては、地域拡大策が大きな戦略方針の一つになっている。新市場開拓戦略の要はマーケティングと資金。
・・・。手は少しずつ出しているものの、本格的に出るのはタイミングが必要だ。いつでも前に行くつもりで、今は足元を固めている。
2008年2月9日
インターン生のタイプは色々あるけれど、育成の主眼は「いざ社会人になった時、どのような手順で仕事を覚えるか」という部分にしている。
受入人数もこの2年で10人を超えて、私自身もなれてきたと思う。
今後正規社員として働きたいと考えているならば、アルバイトの延長である「作業員」でいてはならないのだと思う。だからこそ当社に限定されるような事務処理をダラダラさせるのではなく、考える仕事の仕方を身につけて欲しい。
入社当時は、やることが無い。できる事がないからだ。事務所にいてもただボーと時間が過ぎていくことになる。社員で数ヶ月・数年単位で所属しているのに、指示がなければボーとしているという人ばかり抱えていては会社はつぶれてしまう。大切なのは「自己目標管理」だ。できる事を増やさなきゃいけない。
まずは、基本の「何か手伝える事は無いでしょうか?」だ。シュレッダーでもいいし、書類整理でもいい。説明を受ける時間以上の手助けが出来ればそこに仕事の存在意義は出る。相手が急がしそうで説明を受ける時間が無いのなら、見て覚えればいいのだ。応答は相手の時間を奪うが見ているだけなら殆ど邪魔にならない。疑問点だけタイミングよく聞いて身につくならそれがベストだ。
一つの仕事を覚えたら、その仕事の意義を考える。流れを考える。例えば先方から送られてくる請求書を綴る業務を行ったなら、その請求書はどんな会社から送られてくるのか、どんなタイミングで送られてくるのか、付随して誰かを助けられる仕事は無いのか、もっと効率的には出来ないのか。仕事の手がかりは何でもいいのでそこから自分の出来る事を広げていく。
思いつかなければ、他の誰かの仕事を見て覚えたり教えてもらったりすればいい。大切な事は一歩でも前に進む事だ。
およそ同僚の仕事を全部把握したのなら、次は上司の仕事をコピーする。上司の仕事が自分で出来るようになれば、その上司はもっと高いレベルの仕事を行えるし、そのポジションは自ずと自分のものになるだろう。
自分の時間をフルに使ってもこなせないくらいの業務量が行えるようになれば、次にする事はその持っている仕事を簡略化・一般化して誰かに伝えていく事だ。誰かに教える事ができて、初めてそこで作業員ではなくなる。つまり正規雇用に値する社員としての価値が出る。
実際には仕事というものは定型のものばかりではない。しかし質のよいインプット・アウトプットができる社員であれば新しい問題にもチャレンジしていける能力の土台が出来上がっている。
まず、インターンの中で学ぶべきは、自分で目標を設定し「覚える技術」を身につけていくことだと思う。営業であれ技術職であれ、新卒としてのエンプロイアピリティに共通するのはココだと思う。