2008年8月18日

Triumph

トライアンフって何なのよ。
と、尋ねられる事も多いので、今更ながらご説明を。
よくバイク絡みの名前から取ったのでしょ?と聞かれるのですが、私の場合はちょっと違います。
大学の頃やっていたマジックからの名前で、ちょうど日本語の演技がユーチューブにあがっていたので見てください。

初めて生でこのマジックを見たとき、非常に感動しまして。
表と裏で混ぜたのだけど・・・。
種も仕掛けも無く、技なんですねぇ。
今でも好きなマジックでよくお客さんやインターン生には披露しているのです。まだ見たこと無いよというお客様はお気軽に聞いてください。

私は司馬遼太郎さんの歴史小説が大好きです。
歴史好きな事もあって、小さい頃から何度も何度も読みました。
最近になって司馬さんが小学校の教科書向けに書いた「二十一世紀に生きる君たちへ」という作品を読んで、子供達に託そうと思った言葉をようやく受け取りました。
この作品の言葉を引用して戴いた故小渕元総理にも感謝したいと思いますし、私たちの後に続いてくれる子供達にも読んで欲しいと改めて思います。
「いたわり」「他人の痛みを感じること」「やさしさ」それらは、本能ではなく自分自身で訓練しなければならないこと。
自己をしっかりと確立し「たのもしさ」を身につけた人間でなければ魅力的ではないこと。
子供たちだけではなく、現代の大人になりきれない社会人にも本当に考えて欲しいテーマだと思う。
ディスチミア型の欝であったり、自分勝手な大量殺人事件であったり、現代の問題の根っこにある問題の解決には、弱さや格差を保護することばかり考えるのではなく、「自己の確立」という司馬さんの述べているテーマにこそ答えはあるのではないだろうか。

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2008年8月14日

《たばこ》

私はタバコを吸わないのだが、嫌煙家ではない。
喫煙ルームが作る打ち解けた雰囲気の効用もよく知っているし、そこで上司の考え方を知ったこともあるし、取引先が広がったこともある。
だから現在の社会的に極端な禁煙ブームというのはやり過ぎだと思うし、人のリラックスする空間を排除することが正しいとは思えない。
一方で、自分はタバコを吸わないでいられるのは良かったなと思う。
経済的なことや健康についてももちろんそうだし、何よりも長時間ニコチンを採らないでもストレスに感じない事がすばらしい。
旅行でも仕事でも、タバコを吸えない時間が長時間にわたることは最近特に増えてきたし、場所的な制限は更に強まってきている。
タバコのために行動に制限が加わるのだけはやはり嫌だ。
吸わない。でも排除しない。そんなスタンスの人、最近少なくなったね。

2008年8月10日

《今期も売上で》

8月8日、北京オリンピックの開催式が開かれる中、久しぶりに専務とサシで飲みました。
営業の方向性や最近の課題について話し合った後、今期の最重要とする経営指標について聞かれました。
私は、「今期も売上で行こう」と思っています。
最近お話を聞いていたコンサルの方はROAに注視する事を勧めていらっしゃいましたし、もちろんフリーキャッシュフロー型のEVA等も今後資本コストを意識した経営をしていくために重要だと思います。
しかし、思うに、この時期の経営というのはまだまだ「利益」というものを意識しすぎると弊害も多く、売上を立ててみんなの生活を守るところに重心を置くべきだと思っています。もちろん第5期末のように損益線上の微妙なところにいる時にはある程度の利益刈取は行いますが、人も協力会社もまだまだ育てていく段階です。必要以上のコスト締め付けで働く現場に負荷をかけすぎないように、またお得意様のお願いを無下に断らないように、ステークホルダーとのWIN-WINを目指した成長をするための指標が「売上」だと思います。
また、注視指標が「売上」であったとしても、もちろん利益度外視で仕事を請けるつもりもありませんし、スタッフが生活できない単価に切り落として受発注する事や現場がこなしきれないボリュームの仕事を取ろうと云う事ではありません。品質や信頼といった数値化されない重要ファクターも大切にしていくバランスをもって経営の舵を切って行きたいと思います。
そして何より、私の今期の「売上」予測は、弱含みです。
「経営者が必達目標を低く見積もってどうする!」というお叱りもあるでしょうが、景況感にはトレンドがあり、弱いときの舵取りも経営としての大切な役割の一つだと思っています。
景況感の悪い中で売上をどう作っていくか、その売上の中でどうファイナンスしていくのかという事も大きな課題になるでしょう。
しかしながら、前期に新規の開拓を含め、仕事量の下支えはしっかりしたものがあり大幅に売上規模が崩れる体制にはない底堅さを今は作る事ができています。安定して仕事を受注していき、新規のお客様にも充分信頼いただいて追加で仕事を取っていければ良いのです。
セントレア、万博から続いた時期的要因が落ち着いた後の対策としては充分取れていると思いますので、引き続き信頼を得るための売上作りを進めていければと思います。

世代ごとにベンチャーを色分けていく時に、
1.70年代以降のベンチャーブームを支えてきた第一世代。
2.90年以降のネットバブルに乗ってガツガツと利益に走った第二世代。
3.そして第二世代の背中を見て若くからインターネットに親しんだ、ウェブ2.0に代表される第三世代。
我々ナナロク世代等もこの第三世代ベンチャーになるのだろうと思う。
そして今、大きなムーブメントになっているのはその次の世代。
テーマはきっと「ソーシャルベンチャー」だ。
我々は「自己責任の刃」に晒されて社会を泳いできた世代だ。
同世代には就職氷河期を泳ぎきれず、今もワーキングプア一直線で社会からはじかれ続けてきている人も多く、社会問題になっているのは周知だと思う。
そんな中、既存の社会の枠組みとは違うところで仕事に対するアイデンティティを見つけよう。仕事自身を楽しみたい。まずは自分が幸せになりたい。そして自分の仲間達を幸せにしたい。そう考えながら独立したのが我々の世代だ。
だから我々第三世代というのは、どちらかというと社会的な問題点とは少し距離を置いた「自己実現の起業」という側面が強いのだと思う。
今のソーシャルベンチャーの流れは、「自分中心」から「社会中心」へのゆり戻しなのかもしれない。
それは、第二世代までが歩んできた「会社中心・利益中心」とは似ても似つかないものだし、第三世代が自分の周辺に幸せの範囲を限定しがちなところから、対象を社会に広げていく流れともいえる。
しかし一方で「社会の公器でありたい」という社会貢献に根ざす考えは、どの世代のベンチャーであっても必ず抱いてきた「理想」の一つであることは間違いない。
ただその手段や経路が違う事と、会社としてのもう一つの至上命題である「収益性」をどのように解決していくかというスタンスの違いでもある。
実際、社会起業家の多くは自己犠牲の上で組織運営していくケースも多いだろうし、経済的な犠牲を社員に押し付けてしまうとすれば、高邁な理想も霞んでしまう。
だから、私は今の自分にできることから、そして自分の周辺から社会にリーチする幸せの形を目指して生きたいと思うし、これからの社会起業家の方達とはビジネスを通した形の付き合い方を考えていければと思っている。地に足をつけたビジネスや自分の周囲から幸せにしたいという従来のスタンスは非難される事は無いのだ。
目に見える理想の形が立派なほど、現実との乖離は激しいものだ。ソーシャルベンチャーで起業・・と考えている人にこそ、今まで以上に慎重な創業を目指して欲しい。会社というのは、身を預けてくれる人達が幸せになる事も使命の一つだし、利益を上げて税金を納めることも立派な社会貢献の形だ。社会貢献をビジネスの形で解決するのは、想像以上に難しい事だろう。
そして、我々もその理想に触れ、学ぶ事がたくさんあるはずだ。「稼いだ利益を何に振り分けるか」という問題は社会起業家が増えるほど重要なテーマになるだろう。アプローチの仕方はそれぞれだろうが、企業は社会に認められなければ今後は生き残っていけない。
ソーシャルベンチャーである事は、ベンチャーの生き残る必要条件の一部に変わっているのだ。