2012年11月20日
2012年11月19日
どんなビジネスでも変わらないと思うのだけど、うまくやる要因というのはシンプルだ。
お客様の求めるレベルの品質をきちんと守って提供する事。
自分自身がサービサーでやっていることは極々当たり前の事で意識しなくてもできるのだけど、組織となれば仕掛けがいる。
素質として標準に足るサービサーは少ないし、熟練する人は更に少ない。
熟練した人が、タイミングよくマッチする事はもっと少ない。
だからそこができる人なり組織なりが上手くやれるところとなる。
殆どが、組織というよりも特定の人がその要因を支えていて、仕掛けまでたどり着けているところはとても少ない。
お客様の求めるレベルを把握する事も、その品質を守るためにやらなければならない事をきちんとやることも、「誰か」は知っていても「組織」はわからない事ってとても多いのだと思う。
この11月後半は一息つけて時間がある。12月からはまた一杯一杯に忙しそうだ。こういう時が大事。
2012年10月30日
サービス品質の向上というのは、基本的な振る舞いがきちんとしているかどうかだ。
現場に余裕をもって到着しておく。着信には必ず可能な限り早く対応する。報告書を漏れなく丁寧に作る。
先手先手で連絡を行う。そういう一つ一つの行動がきちんとできるかどうかという事だ。
一つの作業があったとする。
前日のうちに準備を整えて、疑問点は解消しておく。
当日は早めに到着し、現場にいる旨管理者に伝えて、必要な下調べ(搬入ルート等)を済ませておく。
入店連絡を時間前に入れる。(入店を確認したい人すべてにきちんと伝わっているか意識する)
定期的に作業進捗を報告する。
イレギュラーがあれば、即時連絡を入れる。
完了時、忘れ物が無いかきちんと確認する。
現地のお客様確認を必ず取る。
退店前に完了連絡を入れる。(退店前に入れることにより、追加の指示に対応できる)
退店後にも終了・退店連絡を入れる。
どのような作業であったか、詳細を纏めて報告する。
報告書の漏れが無いか確認し、できるだけ早いタイミングで指定の方法で渡す。
送付する必要があるなら、レターパック等の追跡が確認とれる方法で送付する。
追跡番号を管理者に通知する。
こういう基本的な対応が誰に言われなくても取れるかどうかという事だ。
現場作業が完了するだけでは、案件を完遂できたことにならない。
技術力が高いかどうかというところは、その次の段階だ。
プロは作業が完遂で来て当たりまえ。品質は、丁寧な報告であったり、
確認であったり、お客様の立場に立って、配慮した行動ができるかどうか。
そこができることによって、ようやくサービス品質の一歩目をクリアする事ができる。
2012年9月6日
2011年3月。
当社は深刻な事態に陥っていた。秋から冬にかけて仕事量はとても多かったのだが、単価がふるっていなかった時期だ。現場が忙しくてついつい遅れがちであった11月分の試算表を見て慄いた。採算性が急激に悪化しており、このままでは資本を食いつぶしてしまう。しかし、この冬は売上的には中々良かったのだ。多少の希望を抱きながら、すぐに最新の試算表を作成した。2月度の試算表が出来上がり、確認したが状況は全く改善していなかった。大きな借り入れをしていたので資金繰りには余裕があった。しかし、その時点での債務超過は疑いなく、さらに問題なのは、その赤字体質がその後も継続するという事だ。
予兆はあった。秋口から新規に取り組んだ軽貨物運搬事業は少ない売り上げに膨大な人件費、先行投資としてつぎ込んだ車両費・保険代、全く採算化できずに撤退した。そもそもその前に、収益を下支えしていた採算性の良い固定案件が徐々に無くなり、メインのお客様からの仕事の単金が大幅に悪化していた事。お客様からもらえずにいるキャンセル料等も作業者には当社から負担していた事。良かった時代に設定したままになっている給料・報酬体系。個々人の感覚からは変わらず一生懸命やっているだけで、その採算悪化の要因は中々把握できなかっただろう。そして私自身、忙しい現場に自らが入る事が多く、全体の採算に目が届かなくなっていた。
厳しい現実を目の当たりにして、目の前が真っ暗になった。試算表も正視できず、手の震えを抑えることができなかった。毎月200万ペースで増え続ける赤字。考える事が怖かった。
妻は冷静で現実を静かに受け入れた。まずは家を出よう。と借りていたアパートを引き払い私の実家に引っ越した。世間では大震災のあった頃だ。
数日もして、様々なことが動き出したら精神的にも安定してきた。当社には信頼戴いているお客様もいるし、創業期から支えてくれている社員もいる。幸いキャッシュフローも潤沢にある。きちんと対応していけば必ず復活できるはずだ。全社員を本社に集め、状況の説明と対策について話し合った。全員に配布していた携帯は営業を除いて回収し、車両は最低限を残して売却、私の車両もこの時の軽貨物車両に乗り換えた。私の役員報酬も20万/月まで下げて、社員にもできる限りの協力を求めた。コスト的にはギュッと削減していったが、震災の影響もあり、決算末までは単月度採算化できない状態で第8期をクローズした。資本金を全て食いつぶした完全な債務超過だった。
2011年7月
東京主導の全国案件が受注でき、この7月8月の官公庁案件で一息つくことができた。何よりも単月度採算が取れてきたのは、精神的に相当救われた。
9月度は振るわず、大きなプロジェクトが無ければ採算化にまだ届いていない状況が浮き彫りになった。ここでもう一度社内の意識の引き締めを図った。
10月~1月は、東京・大阪・名古屋の大きな金融機関案件を受注する事が出来て、また大きく業績を回復する事が出来た。1月以降も官公庁モノを中心に大きな案件をいくつか受注する事ができ、第9期は8期に空けた大穴を塞ぐところまで業績回復できた。
振り返って、採算を上げるために力を尽くした事が2点ある。一つは率先して自らがコスト削減の最前線で戦う事。もう一つは、安易な再委託を控え、自社のスタッフを積極的に採用し、育成し、運用する事によって一つ一つの案件で品質を下げずきちんと採算を上げていく事。そして、一番大事なことは「縮小均衡」を目指さないという事。経営リソースや人材を削っていって、どこかで採算化するだろうという発想では、均衡しないまま縮小を続けて結局潰れていってしまう。経営の本質はあくまでシンプルに売り上げの極大化とコストの縮小化を追い続ける姿勢を崩さない。これに尽きると思う。
そして、採算を第一義にしない事。矛盾するようであっても、採算よりも品質を優先させて考える。一つ一つの仕事を丁寧に行い、信頼に応え、次の仕事に続けていく。それができてこそ信頼の連鎖を作ることができ、その上に採算が積みあがっていくのが、理想であり、純粋にそれを求めていく姿勢が大事なのだと思う。
大きな危機を乗り越えて、第10期に入った。第9期に入った時の危機感を忘れないように、9期初めに社員みんなに送った私のメールの一部を紹介しようと思う。
「利益を会社の第一条件にした時、会社は大切なものを失ってしまいます。
今は本当に利益確保が大切な時期ではありますが、トライアンフは私がゼロから作った会社で、今はお金だけゼロに戻っただけで、大切にしているお客様や社員は、みんなここにあります。だから、復活するのは確信として自信があります。
しかし、恐怖で膝を抱えて眠れない夜を何度も過ごし、みんなの生活を絶対に守ると何度も何度も自分に言い聞かせてきて、そんな中で、事業を自分が続ける強い理由が私にはできました。
「一人でも多くの人に出会い、深く親しくなり、精一杯のサービスを行って、全力で仕事に取り組み、トライアンフに関係する社員も、お客様も、パートナーも全ての人に好きになってもらえる会社でいられるといいな」
理念というには少し長いので纏めると
「みんなに好きになってもらえる会社」
を私は創ろうと思います。
ちなみに、私はトライアンフという会社も仕事も社員皆もお客さんも大好きです。
好きになってもらうなら、やっぱり自分がまず会社を好きでなくちゃね。」
最近入社した人も増え、最近お取引を始めたお客様も増え、そして新しくお付き合いする方々も、当社のホームページから決算書を見て、大きく毀損し大きく回復する状況を確認する事があるかもしれない。この2年間は、試練の時であったし、私を含め会社全体成長する事が出来たと思う。この大変な時期を支えて戴いた全ての方に心から感謝し、第8期及び第9期の総括とする。
2012年8月28日
第9期の決算報告です。
9期は、大きな案件に恵まれ、また社員の徹底したコスト意識により、8期に作ってしまった大きな赤字を解消する事ができました。1年間苦楽を共にした社員には本当に感謝しております。
また、9期末の大きなチャレンジとして、静岡オフィスの展開を行いました。仕掛けに使った先行投資が9期に含まれており、300万程を取り戻さなければなりませんが、メインのコンシュマは出だし苦戦しているものの学校もの案件等法人向け業務をこの夏季期間受注する事が出来、大きな推進力にすることができました。
しかしながら9期は、プロジェクトものの抜発力が業績回復の決め手になっており、この10期に平常時の安定した採算化を進めていく必要があります。誠実に、一つ一つのサービスを丁寧に行い、お客様の信頼に応えていける1年を心がけて参ります。
今後とも宜しくお願い申し上げます。