2006年1月16日
世界史に興味を持つ事は、外から自分の国を客観的に見る能力を養う事でもある。
中東の問題は、直接にはガソリンなどのオイルの問題でもあるし、政治的・経済的な側面から見れば近代の問題点が凝縮しており、何かの組織で責任者である以上無関心ではいられない問題だろう。
しかしながら、いわゆる「学校教育」ではあまり深く触れる事もないし、その意義を伝える事も少ないと思うので、「イスラエルとパレスチナは何で戦っているの?」という問いにすら中々答えられないのではないだろうか。
まず少し乱暴に大まかに定義すると、「イスラエル」は国の名前で、パレスチナと云う地域に「ユダヤ人」が作った国家である。「パレスチナ」はそもそも土地の名前で、俗にイスラエル対パレスチナと云う場合には、イスラエルが作られることによって元々住んでいた「アラブ人」が追い出されて難民化して作った自治政府といった感じである。
なぜ二つの国が並立して存在するようになったのか、という事については「国際的にはイスラエルは認めない」「宗教問題と歴史的なことなので難しい」等で分かりにくい問題なのだが、シンプルには、第一次大戦時にイギリスが二枚舌でどちらの政府にも独立を認めた事と、第二次大戦後に国連が当事者を無視して適当に分割した事に起因するのだろう。
正直な感想としては、戦っている両者の言い分にはどちらも理がある。だからこそ、中東戦争は個々まで続いてきたのだろう。血で血を洗う戦いの連鎖になってしまった以上、怨恨を全て解いて話し合うのは難しいかもしれない。
さて、ここで「シャロン首相」に戻るが、彼はイスラエル側の中東戦争の英雄的軍事指導者であった。カリスマ性を活かして極右政党の政治家に転身し、重要閣僚を歴任し、国防相の頃にはレバノン進行など最も強硬派の一人だった。この頃までの姿勢によりアラブ側からは大変憎まれている人物ではあるが、首相となってからはその強いリーダーシップを「和平」側に傾ける。党内の反対を押し切りガザ撤退を実現し、国民の信を問うために極右政党「リクード」を離脱して中道系新党「カディマ」を旗揚げした。
まさにこれからと云う時である。シャロン首相は中東問題を作り上げてきた張本人の一人といえる。レバノン進行による大量虐殺などの事案は、人道上はもちろん、国際法上も赦される問題ではない。しかし「イスラエル」という国が国土を元々持たない国家である以上、「国益」を考えれば彼の歴史が全て非難されるべきものでもないはずだ。だからこそその英雄が和平に向けて舵を切った事には大きな意義があるのだろうし、今日のこの「シャロン首相が倒れる」という事態が世界史上の重要な転機になる事は間違いない。
イスラエルという国は周り中敵国に囲まれているし、縦に長く守りにくい。一度でも負ければ国家として存続しえないだろう。その国のリーダーというのはどれほどのプレッシャーなのだろうか。
一代の英雄には自分なりにきちんとした評価と敬意を持つ。その上で、客観的にわが国の首相や政治を考えてみたり、自分の考えを整理する事はとても大切な事だと思う。
2006年1月15日
第三期が始まって以来、毎月毎月目が回るような忙しさであったが、今月は仕事量が少ない。
売上が伸びないのは経営者にとっても、スタッフにとっても直接懐に響く深刻な事態ではあるのだが、普段おろそかにしている大切な問題点を確認する絶好の機会であるともいえる。
ちょうど半期と云う事もあり、毎月処理だけではわからないハーフスパンでの各経営指標の推移や、税や保障、契約等の問題点を確認したり、忙しくて中々顔を合せる機会が無いスタッフと直接話す機会を持ったり、中心メンバーを集めてミーティングを行ったり。確かに気が滅入るような問題点が山ほど洗い出されるし、逃げられるものなら逃げてしまいたい事は多い。実際に仕事が大量に入ってしまえば、そうした問題点にはとりあえず目をつぶり、お客様を優先させてしまうだろう。だからこそ貴重な時期だとも云える。
私が経営上考えている事や悩んでいる事を理解してもらう事や、私しか処理できないでいる様々な雑務を共有していくのにも必要な時間でもある。
会社の源泉は売上であり、仕事が来なければおかねにはならない。これは大前提なのだが、仕事が発生してそれをお金に換えていく実際の手順やそれぞれ個々の現場仕事に関わる人の思いや不満を共有する時間は「効率」で計ってはいけない大切なものだ。
だから、時間のある月は大切に過ごさなければならない。
2006年1月11日
当社の目標としている数字の基本は売上である。
当社の基礎を作った第二期の売上は年間2500万弱であったが、第三期は半期で当面の目標となっていた第二期の売上をクリアし、およそ2900万程度になった。
一つ一つの仕事を丁寧に行っているスタッフが一丸となってクライアントの信頼を積み重ねた結果である。
さて、当面の達成率が上記のように順調であることにより、いよいよ1000万円までの増資を視野に入れる時期に来た。
「資本」を増やす事にどんな意義があるのか?
何と云っても企業の生命線は安心感と信頼感である。
頼んだ仕事をやり遂げるための資金的な体力はあるのか?働いた報酬をきっちり支払えるだけの資金が会社として担保されているのか?
こうした不安点を解消するために大切な事としては、このプレジデントルームで取り上げてきている借入を含めたキャッシュフローを管理する事が最優先となるが、自力というものは何と云っても自己資本こそがモノを云う。
資本金の特例を受けて起業した当社としては、「資本」へのこだわりというのは、今まで頭打ちにされてきた売上のキャパシティとの戦いそのものでもある。
経営改革は一歩ずつ進めていく、達成したい目標もある。しかし全ての基本であり今後まだまだ拘り続けたい数字はなんと云っても「売上」である。
2006年1月6日
年末年始は事務処理の忙しい季節だ。
年末調整もあるし、税金の納付もある。当社の場合は半期の締めでもある。未済の領収書もそのままにはしていられないし、態勢を変えようと思えば付随する事務もそれだけ増える。
さらに追い討ちをかけて営業日が少ない。取引先もお役所もここ数日を除いてずっと休日である。
こういうときは優先順位をつけねば作業は滞るばかりだ。
まず、入金出金。銀行の営業日は少ないが経営の血液を止めるわけにはいかない。スタッフの生活も大切だし、給料日である10日までは本当に数えるほどしか入出金のチャンスは無い。
次に税金。税金の納付が遅れる事には、多くのデメリットが付きまとう。融資を受ける際にもかならず遅延無く税を納めているかチェックされるし、一日でも遅れれば即延滞金が発生する。事業主になるまで分からなかったが、お役所の中で税務は一番キビシイ。
そして社会保障関連。現在執り行っている体制の変更の柱の一つであるが、このあたりのお役所はユルユルである。が、何せ記載する書類や添付する資料が多い。これを集めるだけでも一苦労となる。現場が本格的に稼動する前に全部終わらせたい。
いつまでも頭が痛いのは、領収書等の書類整理。これを溜めるとデータとずれるは無くすはで、てんやわんやとなる。特に年始からは体制切り替えに取り掛かるので、昨年分まではなんとしても早期に決着をつけておきたい。
最後に去年案件のクロージング。年末は仕事の区切りにもなりやすい。それだけに売上の連続性や人の手配も一区切りとなる。次に繋げるための処理をおろそかにすれば人も仕事も会社にひきつける事はできない。
事務処理はそれ自体利益にならない。しかしバックオフィスの強い企業こそがクライアントやスタッフの信用を得ている企業であるだろう。この時期は特に大事な時期なのだ。
2006年1月1日