2006年9月26日
経営者であれば、従業員の労働環境はなるべく整えてあげたいと思うし、採算性をにらみながら、精一杯のラインを常に試行錯誤しているものだ。
一方でベンチャーで働く意義というのが、「そのときそのときの労働の対価の賃金」であっては続かないと思う。残業や突然入る仕事が嫌で、納期に責任を持ちたくなくて、同僚のフォローや後進の育成に興味がない人であれば、公務員か大企業の歯車として生きていく道を選んだほうがいいと思うし、そういう生き方も一つの正しい生き方だと思う。
創業ベンチャーにはもともと何もない。
創業メンバーが力を尽くして切り開いた道は、けして自身の残業代のためや代休を纏めて取るためでもなく、容易とは云いがたいものばかりだったと思う。
だから、どれだけスキルの高い人であっても「まず休日や残業について聞かせてください。」という人には、ベンチャーで戦い抜くことは残念だけどできないと思う。
採用面接等にあたって、まず我々が聞きたいことは、
「君のアントレプレナーシップをアツく語ってくれ。」
と云う事。
その上で会社のビジョンとすりあわせをしていければそれが一番いい。
2006年9月26日
最近はメディア戦略も積極的に取り組むようにしている。
IRの重要性は「後手に回ってはいけない」ということに尽きる。
現在のお客様やスタッフに対して、経営者が何を大切にしているのか、どんな目標を設定してどう取り組んでいくのか、という事を伝えていくことは大切なことである。更に、これから新しいお客様をどうつかんでいくか、ということももちろん重要であるけれど、同時に、これから出資を考えてもらう人に対して、あるいは、これから当社で働いてくれるかもしれない人に対して、というように幅広く経営者の考えることを伝えることは、ビジネスを広げていこうとする上で本当に重要なことだと思う。
今回受けた取材のテーマは「30代のアニキ」という特集で、30歳という区切りにおいて自分を見つめなおすためには非常によい企画だと思った。時間も業務後の19時からと私の都合に極力配慮していただける形にしていただけて、時間を気にすることなくじっくりと考えていることをお伝えできたと思う。
どんな記事になるか今から楽しみだが、等身大の日向を知ってもらうにはとてもいい機会になるのではないだろうか。機会をいただいた記者・カメラマンには本当に感謝しております。
2006年9月23日
4年目にして、9月末の難しさをようやく感じる。
ある程度長い案件を手掛けられるように会社が成長してきて、一回り目にあたるからかもしれない。
3月末の区切りと云うのは、どこの会社から見てもしっかりした切替期で継続するにしてもクローズするにしてもしっかり調整する。新しく始める案件であればそこに向けてじっくり準備を重ねる。
しかし9月末と云う時期は、半年契約であればちゃんとした契約更新期であり、当然進む・引く・単価を調整する、といった更新期特有の調整があってしかるべきだと思うが、何事も無かったかのように継続だと思っていたり、気がついたら関連担当者がいなくなっていたり、思いもよらない新条件が提示されたり、とかくびっくりアタックの多い月でもある。
当社としても決算時期から暖めていたプロジェクトの最終段階にあり、且つ新規の案件で盛り上がりを見せる中、9マツ関連の調整が俄かに目白押しになってきた。
ここを逃すと次は半年後・・と思うと疎かに出来ない。
新戦力を含め、陣容も暖まってきて、懸案であった枠組み作りも一日・一日と進んでいる。
苦しいときこそ、チャンスも多い。
お客様も面白いお話をたくさん持ってきていただけるし、少し大きな視点で運用を考えないともったいない時期なのだと思う。
しかし、足元のお仕事は丁寧に。
一つのお仕事をしっかり仕上げて、皆で階段を昇っていこう。
2006年9月22日
業務の引継ぎというのは、中々スムーズにはいかないものだ。
自分がやれば何時間かで確実にできる、と思うところを何倍もの時間をかけて教えながらじっくりとやって見せ、実際に任せてみると更に何倍かの時間がかかる。
自分の頭の中では、既存フローとして関連づけられている事も、他の人がやって「新しい」と感じた場合には仕事と仕事の流れを理解するだけでも大変なことだし、ケースによって判断が多岐に分かれる場合はそれぞれの判断基準も明確にしなければ、同じ仕事を同じレベルで執り行う事はできないだろう。
それでも業務をバックアップする人材を育成することには意義がある。
苦しい育成期間を乗り切ることができなければ組織として仕事を安定化させることもできないし、何よりも「その人が新しい可能性にチャレンジする機会」を奪ってしまうことになる。
新しく取り組みたいことがホントに山ほどある。
今はそのためにせっせと人を育てている。
2006年9月17日
ベンチャーの社長は「カンペキ」ではない。
ココロザシを高く持ち、創業の道を歩んでいくにしても、直面する課題はマワリが思うほど少なくなく、コンサルが云うほどキレイに線の引けるものでもない。
更に駆け引きの多いポジションだから、関係者の話は利害抜きには考えられないし、第三者からの評論では実戦で活きる要素がホントにちょこっとしかない。
社長が前に進むのはホントに孤独で厳しい作業だ。
それでも、会社を良くしたいと思わない社長はいないし、未熟である事が理解できていないワケでもない。
今、出来ていない事や、知らない事がある事は恥ずべき何物も無い。
恥じるべきは、孤独で厳しい「改善」の意欲を失うことだ。
泥の中でも理想を追い続ける強い力。創業社長の折れない心はそれに支えられている。