2024年7月11日
日向です。
あまり相場の事は言わないように、書かないようにと心がけてはいるのですが、身近にインフレの影響もあり、今週会社の保有投資信託のリバランスをしていたこともあり、何よりも昨日会社から帰る時に小6になった息子とNISAやインデックスファンドの積み立て投資について語ってた事もあり、ちょっと面白かったので書こうかなと思いまして。
改めまして、日向です。学生時代はブラウン管のパソコンでデートレをしてまして、ファーストキャリアはコスモ証券という証券会社でオンライントレード「ネットレ」の企画・運用を行っていました。当時はネット証券黎明期。次々にオンライントレードに特化したシステムを組むライバルを尻目に、既存証券会社は既存のボロボロのシステムを活かしながら、そのホストコンピュータの制約に縛られながら、なんちゃってのWEBトレードシステムを上辺で構築してました。
私が営業からネットレの部署に行ったとき、所属したのは「メディアマーケティング部」。ホームページの管理とか、広告とかの部門だった。なので、このボロボロシステムでは勝負しなくて、当時の部長はマーケの力で勝負に行った。「月額定額制手数料」いわゆるサブスクモデルだ。当時としては画期的なモデルで、松井証券の一日定額手数料時代から時計の針をメチャメチャ進めた。
他にも、今にして思うとビックリする改革を矢継ぎ早に仕掛けた。私が最後にかかわったのは、「投資信託のオンラインラインナップの充実」だ。ホームページの投資信託のページ、日常業務として更新していて、興味があった。なんと、20本弱しかなかったオンライン取り扱い銘柄を、コスモ証券で扱っている全銘柄300くらい?まで広げたのだ。当時の部長も、主担当していたH先輩も本当にすごいなと思った。正直、デイトレードの鬼達を集めまくっていたネットレで、投信なんてつまらないものが売れるのかと思っていたのだけど、そこそこ売れて、その「そこそこ」がネットレの岩盤利益ストックとなっていった。当時私は扱うまで投信買った事無かったし、よくわかっていなかったのだけど、販売手数料の他に、信託手数料の一部を販売会社がもらえて、これこそホントのサブスクモデルだったのだ。
営業したいた頃、奈良支店では、投信では「グローバルソブリン」という毎月高額分配のタコ足投信をやたら熱心に勧めていた。グロソブブームは銀行や生保でも続けていたと思うので、ドットコムバブルが崩壊しても売りまくっていた。こんなんやるから、日本では投資家が育たんのだと思っていたのだけど、信託報酬・・そうなのか。と感心したものだ。もぅホント利益背反酷いぜ。投信は回転売買進めなくてモラルあるね・・なんて思っていた入社当時の自分は可愛かった。
そんな熱いコスモ証券時代、ちょっとだけFPや証券アナリスト系の勉強をしていたことがある。ネットレの仕事が面白くて、そっちのけになってしまったけど。そんな中、私の全く信じていない理論があった。「効率的市場仮説」だ。「現時点での株式市場には利用可能なすべての新たな情報が直ちに織り込まれており、超過リターン(投資家が取るリスクに見合うリターンを超すリターン)を得ることはできず、株価の予測は不可能である」ってやつだ。まぁ平たく言うと、インデックスはアクティブに勝てないってやつ。さらに言うと、投資家は超長期ではインデックスに勝てないし、世界は5%くらいは伸びてくんだからインデックスに漬けとけ。そうすれば絶対勝てるし、個人だろうかプロだろうが投資家は市場(パッシブ)には勝てんよ。というやつだ。テクニカルなんて博打で投機だし、ファンダメンタルズなんて将来の価値なんて誰にも分らんし、織り込まれとる。というやつ。
そんなことないよ。伸びてく会社と伸びていかない会社なんて、絶対違いはあるし、市場が長期で見ると上がるか下がるかなんて、時代とか期間とかの切り方次第じゃん。と思っていた。特に、バブル崩壊真っただ中で青春を過ごした私は世界が右肩上がりでパッシブ最強なんて全く思えなかった。
長くなった。もうちょっと続く。
私の証券時代は、ITバブル(ドットコムバブル)の崩壊期だ。ITにワクワクしながら入社して、貿易センタービルがぶっ壊れるのを見ながら、アメリカのIT企業株が紙くずになるのを眺めていた。
シスコシステムズは時代の寵児と囃されて、なすすべもなく株価崩壊した。ハイテク指数のナスダックも5分の1くらいになった。でも全然対岸の火事だった。前段で述べた投資信託も日本のものばっかりだったし、でもノーロードとかインデックスもちょっとだけあった。ノーロードって言葉を覚えたのも、その時だし。なんにしても、アメリカ株にリーチする方法ってあったのかよくわからない。少なくともネットレでは無かったと思う。ETFとかも出来立てだったし。ニュースと指数だけ見てた。実感値は無かった。
サブプライムのリーマンショックは記憶に生々しい。やばさがヒシヒシつたわったし、パリパショックのあたりから、まぁヒリヒリしていた。今の中国みたいな感じだね。
今のアメリカ市場の怖さは、ドットコムバブルの頃の怖さだ。NvidiaのPER80倍とか、もぅ正気の沙汰とは思えん。絶対どこかで崩れます。というか、この高価格もコールオプションの買いとヘッジの現物買いが合わさってエラい事になっているので、どっかのSQで逆回転しだします。私は、証券時代からこのSQってポンコツな制度、どこかで大変な株式操作じゃないかってエライ人が言って変わるかと思っていたのだけど、こんな1秒に何千・何万と売買や取り消しの入る時代になっても変わらず運用しているなんて正気の沙汰ではないと思う。近年の大幅な下げ相場はほぼ全部SQ絡みじゃない。規制しろよ・・。
という事で、どこかの第三週の水曜日に売り崩しにくるか、金曜日の寄り付きで上げ切って真っ逆さまに落ちるか。
S&P500もオルカンも、時価総額の加重平均でたっぷりNvidiaやGAFAM含んでいるから、とんでもない暴落でNISAでエントリーした初心者が見たことも無いようなデカい損失出ると思うんだよね。いつかは、全然わかんない。チキンレースだね。でも、そんな遠い未来じゃないよ。
という事で、今週はリバランスしていた。米ハイテクものを控え目に。アメリカは配当貴族とかに、日本・インドにも散らして。まぁパフォーマンスは落ちても良いので、リスクを落とす方向に。
つまり私は、市場が効率的なんて全く今でも思っていないし、ヤバければ逃げるし。稲妻なんて光りたければ光れば良いのだ。インフレも円安も怖いので、資産防衛として金も投資信託も買い進めたい。日本は金利も上がるし、資産インフレが起こる時代になったと思う。
そんな、自分が昨日息子に送った話。
「給料をもらうようになったら、2割くらいの一定額を必ず引き落とし処理して、運用コストの安い株式のインデックス投資を自動積み立てで買うのだ。まずはオルカンで良い。その時の相場が高いとか安いとかは関係ない。Nvidiaが高すぎると思っても、紙くずになるような大暴落を遂げても、絶対売らずに粛々と積み立てで買うのだ。”敗者のゲーム”や”ウォール街のランダムウォーカー”を読め。そのあとで個別株は一株ずつ試して楽しめ。そしたらご機嫌で幸せな人生が送れるサ。」