2007年5月22日

退き方

一旦引き受けた仕事でも後々条件が変わったり、何らかの都合でやめなければならないときという事がある。
もちろん仕切りなおしたり条件を調整したりして、関係者にできるだけ迷惑のかからないように継続する手段を講じる事は大切だ。「出来ない理由」を探すのは簡単だけど、「どうやれば出来るか?」という視点で考える事がプロフェッショナルとしての仕事のやり方であると思うし、案外突破口というものは存在するものだと思う。
一方で、継続すれば被害が拡大していく状況というケースももちろんあって、そうしたケースでは、改善の見込みが立たないのであれば手を引く算段を整えていった方が良い。責任感があって真面目な人ほど引くタイミングを誤って限界点まで付き合ってしまうのだけれど、早いタイミングの余裕のある状況で撤収策を整えれば相手方にかかる迷惑も最小限ですむ。
経営者であれば事業そのものの撤退について考えた事の無い人というのはいないだろう。どんなにうまくいっている事業であっても、何らかの要因で傾く事はありえると思うし、会社をたたまなければならない状況もありえると思う。
少し後の時代からみて「もう少し頑張れば乗り切れただろうに」あるいは「なんであそこまで引っ張ってしまったんだろうねぇ」という判断というのはよく見かけるのだけど、自分が当事者だったらどう決断したのだろうか。
たぶん進退のタイミングに正解はない。
多くの経営者は逆境に粘り強く対応するものだし、責任感も強く真面目に自分の仕事に取り組んでいる。
しかし退き方を誤った経営者に対して社会はとても厳しい。
進むか?退くか?退くとすればどのような形で退くのが望ましいか?
失敗を恐れずにチャレンジする人ほど、進退についてはいつも大きな悩みのタネなのだと思う。