2007年1月13日
企業を猛烈に成長させ続ける経営者はスゴイ。
これはこれとして、もちろん高い評価が与えられるべきだと思うけれど、一方で経営は一社のみでその勢いが決まるわけでも、ましてや猛烈社長の目標必達能力だけで決められるものではない。
バブルの頃や今のような景気の上昇過程で誕生した企業群は、下降トレンドでどうなったか?どうなってしまうのか?という事をちょっと考える機会があってもいいと思う。今日はそんな話。
当社も含めて、こうした上昇期に波に乗った企業は、その成功体験が積み重なれば積み重なるほど、引くべき時にまで押してしまう危険性が高い。トレンドはチェンジするものだ。下降トレンドに入った時はそれなりの舵取りがあるし必要になると思う。
それはある意味今までその会社の培ってきた「成功や成長の法則」に反するものかもしれない。
しかし、客観的にどんな選択が正しかったのか?を後から検証して見ると、「なんで市場規模があんなに縮小に転じているのに、無謀な勝負にでたのか。」と感じる事例は山ほどある。
しかし、「贅肉を落とすべき時に更なる投資に踏み切ってしまう」というような、成功体験に塗り固めた経営者の決断やその思考過程というのは、自分が「社長」という立場に立ってみるとびっくりするほどよくわかる。
我々の世代は、バブル−ITバブルと、隆盛・荒廃の過程を2度もじっくりと見ることの出来た貴重な世代だ。
今、中部景気は急上昇の一途。これに乗らない策は無い。
だけど、一方でブレーキがかかった時の舵の切り方を前もって考えておかなきゃいけない。ベンチャーの事業が一過性に過ぎないものばかりでは、そこで働く社員や支援していただいている多くの方にあまりに申し訳ないからだ。
トレンドに乗るということは、常に上昇だけを信じる・・と同意ではない。
着々と歩みを進め、且つ過信しない。
私はそんな経営の舵のきり方をしようと思う。