2007年4月3日
採用コストや育成コストはなかなか外からは見えづらい。
特に育成されている本人には「自分にかかっている採用・育成コスト」は中々見えないものなのだろう。
振り返ってみれば自分もそうだった。
氷河期といわれた就職戦線で何次面接とクリアしていき、あるいは落ち、「自分」は無償で(しかも交通費は自前で)大変な労力と資金を就職活動という形で会社に費やしているなぁ・・と。
あるいは、就職した後もパソコンが与えられず、「俺」にかかるコストは人件費だけねぇ、安いもんだ・・と。
「人事」を担当すると企業サイドの眼も身に付く。
説明会には多くの人が準備に追われるし、企業店に出展すれば莫大なコストになる。使い手は無料で何気なく眺めている○○ナビってサイトには膨大な掲載費を費やす。面接のステップが上がる毎に担当する面接官は役職の付いた人に代わり、こういっちゃ何だけど単位時間当たりの人件費は面接の受け手の想像以上に膨れ上がっている。
育成にかかるコストについても同じ。仕事を教えるには担当する人がひとり付く事になりその人の時間も経費としてかかってくる。仕事を覚えるまでは当然失敗もするので、失敗による実損や信用の低下も当然コストとなる。
中々簡単には数値化、可視化できないものだし、中小企業となれば「研修」ときっちり仕切られる時間も少なくなってしまうからより本人には見えなくなってしまうのだろう。
しかしそれもものは考えようで、一人前以上のスタッフがコスト削減することは厳しいけれど、新米であれば誰が見ても優秀な人材で自分で意欲的に仕事を吸収し、独り立ちできるようになっていけば大きなコスト削減効果を得る事ができる。
それも突然一人前になれというのではなくて、企業が想定する育成スピードを上回りさえすればよいのだから、「心構え」だけで充分にコスト削減効果を実現できるのだ。
愛知県は空前の好景気。採用・育成のコストは上がる一方だけど、企業の根底はなんといっても人次第。次の一手を担う人材はなんとしても確保しなければいけないのだ。