2005年3月8日
当社のように小さな会社が他企業との競争を生き抜いていくには何が必要か。
企業体としてのシステムやマネジメントはもちろん必要であるし、利益率の良い仕事をたくさん請ける。ということも必要ではある。
しかし、当社が一番大事にしていきたいのは、関係者の「気持ち」だ。フェアであること。うちは基本的に日給+残業時給で払っているのだが、請けがこの形とは限らない。たくさん店舗を回るならば、店舗毎の料金であったり、単純に時給であったりする。だが、どんなに短い時間であっても、一人の技術者が一日の予定をそれで縛られるのであれば、できる限り一日の金額として報酬は払いたい。だから、昨日は3店舗回って、今日は1店舗しかやっていないのに同じ料金なの?というのは、アンフェアだと思っていない。1店舗だけの金額であれば採算を割っていることも往々にしてあるのだ。そして、交通費が電車代でしっかり各個人分出ているのに、乗り合わせで行ってもらっていることもある。これは、請け金額が割れていたり、トントンだったりして交通費金額分くらいしか益が出せなさそうなときであるから、一見アンフェアそうに見えてもフェアだと思ってもらいたい。
創業期を知っているスタッフであるならばわかってもらえていると思うが、支払う金額は昔に比べてかなり増加している。新しく参加しているスタッフにも知ってもらいたいのだが、うちが所謂大手派遣系業者よりも良い報酬を提示できるのは、ひとえに時間をかけて当社の信頼を築いていってもらったスタッフの積み上げた努力のおかげだということを理解してほしい。経営に携わる者として、第一線をみんなと共に固める仲間として、積み上げてきた人達の「気持ち」をくみ上げていきたい。
さて、一方「気持ち」をくみ上げたいのは、クライアントからの依頼も同じである。「大変なのです。どうしても助けてほしい。」といわれた場合、または、「この一件がはじめてのお客さまなのです。今後伸ばしていきたいので、今回はこの金額でおねがいできますか?」と頼まれた場合、骨惜しみせず手を出していく、そんな企業でありたいと思う。一方「うちが金を出しているんだから、兵隊は只云うとおりに働けばいいんだよ。」という企業様のご依頼も余力があれば請けていきたいと思っている。ただし、前者であれば金額や労働条件もギリギリまで勉強させていただくが、後者であればガッチリ請求させていただく。
基本は、お金を出す側としてももらう側としても、気持ちを一緒に乗せていくということである。サービスを提供する側も、お金を渡す側も、貴賎などは存在しないのだ。気持ちよく仕事できるように支払う立場としてももらう立場としても、丁寧に、卑屈にならず、そしてフェアな気持ちを忘れないでいきたい。