2005年8月23日
第一次世界大戦期、イギリスの戦闘機開発に行っていたF・W・ランチェスター(1868年~1946年)は、戦争で双方の兵器・兵士数と戦闘結果被害について、一つの法則を発見した。
ランチェスターの法則とは、「一騎打ちの法則」と「確率戦闘(集中効果)の法則」の二通りからなる。
簡単に説明すると、一騎打ちの法則は二者間の戦闘で一対一で兵士が戦うとすると、兵力差がそのまま戦闘被害に結びつくというものだ。つまり、兵力差A5対B3であれば、5-3でAが2生き残って勝つということだ。もう一つの確立戦闘の法則は二者間の戦闘で集団戦で戦う(兵士が複数の敵を一度に相手にしたり、複数の敵から攻撃を受けたりする)集団戦の場合、被害は戦力の二乗比の差になるというものである。兵力差A5対B3であれば25-9=16(4の2乗)で、Aが4生き残って勝つということだ。
よくランチェスターの法則は、ビジネスシーンでも使われており「一騎打ちの法則」はピアツーピアマーケティングに、「確立戦闘の法則」はマスマーケティングによくたとえられる。
ドミナント戦略が打て、何らかのカテゴリでリーディングになれるならば「確立戦闘の法則」を活かすべきだし、2番手以降であるならば「一騎打ちの法則」で戦うべきだ、ということもいえる。
顧客へのアプローチも当然変わってきて、広告媒体を選択する場合にもたとえ同一のサービスとはいえ、業界順位や地域順位、法人・個人などの差異がある限り、一騎打ちで行くのか、確立戦闘でいくのかによって、最適な媒体は異なる。インターネットやダイレクトメールなどはピアツーピアのツールだから「一騎打ちの法則」に適しているし、新聞やテレビなどは「確立戦闘の法則」に適している。
私が起業するときに、友人が「ランチェスター経営学」に関する本を贈ってくれた。一つの知識は実践を通して私の中で確かに生きている。