2008年8月14日
私はタバコを吸わないのだが、嫌煙家ではない。
喫煙ルームが作る打ち解けた雰囲気の効用もよく知っているし、そこで上司の考え方を知ったこともあるし、取引先が広がったこともある。
だから現在の社会的に極端な禁煙ブームというのはやり過ぎだと思うし、人のリラックスする空間を排除することが正しいとは思えない。
一方で、自分はタバコを吸わないでいられるのは良かったなと思う。
経済的なことや健康についてももちろんそうだし、何よりも長時間ニコチンを採らないでもストレスに感じない事がすばらしい。
旅行でも仕事でも、タバコを吸えない時間が長時間にわたることは最近特に増えてきたし、場所的な制限は更に強まってきている。
タバコのために行動に制限が加わるのだけはやはり嫌だ。
吸わない。でも排除しない。そんなスタンスの人、最近少なくなったね。
2008年8月10日
8月8日、北京オリンピックの開催式が開かれる中、久しぶりに専務とサシで飲みました。
営業の方向性や最近の課題について話し合った後、今期の最重要とする経営指標について聞かれました。
私は、「今期も売上で行こう」と思っています。
最近お話を聞いていたコンサルの方はROAに注視する事を勧めていらっしゃいましたし、もちろんフリーキャッシュフロー型のEVA等も今後資本コストを意識した経営をしていくために重要だと思います。
しかし、思うに、この時期の経営というのはまだまだ「利益」というものを意識しすぎると弊害も多く、売上を立ててみんなの生活を守るところに重心を置くべきだと思っています。もちろん第5期末のように損益線上の微妙なところにいる時にはある程度の利益刈取は行いますが、人も協力会社もまだまだ育てていく段階です。必要以上のコスト締め付けで働く現場に負荷をかけすぎないように、またお得意様のお願いを無下に断らないように、ステークホルダーとのWIN-WINを目指した成長をするための指標が「売上」だと思います。
また、注視指標が「売上」であったとしても、もちろん利益度外視で仕事を請けるつもりもありませんし、スタッフが生活できない単価に切り落として受発注する事や現場がこなしきれないボリュームの仕事を取ろうと云う事ではありません。品質や信頼といった数値化されない重要ファクターも大切にしていくバランスをもって経営の舵を切って行きたいと思います。
そして何より、私の今期の「売上」予測は、弱含みです。
「経営者が必達目標を低く見積もってどうする!」というお叱りもあるでしょうが、景況感にはトレンドがあり、弱いときの舵取りも経営としての大切な役割の一つだと思っています。
景況感の悪い中で売上をどう作っていくか、その売上の中でどうファイナンスしていくのかという事も大きな課題になるでしょう。
しかしながら、前期に新規の開拓を含め、仕事量の下支えはしっかりしたものがあり大幅に売上規模が崩れる体制にはない底堅さを今は作る事ができています。安定して仕事を受注していき、新規のお客様にも充分信頼いただいて追加で仕事を取っていければ良いのです。
セントレア、万博から続いた時期的要因が落ち着いた後の対策としては充分取れていると思いますので、引き続き信頼を得るための売上作りを進めていければと思います。
2008年8月10日
世代ごとにベンチャーを色分けていく時に、
1.70年代以降のベンチャーブームを支えてきた第一世代。
2.90年以降のネットバブルに乗ってガツガツと利益に走った第二世代。
3.そして第二世代の背中を見て若くからインターネットに親しんだ、ウェブ2.0に代表される第三世代。
我々ナナロク世代等もこの第三世代ベンチャーになるのだろうと思う。
そして今、大きなムーブメントになっているのはその次の世代。
テーマはきっと「ソーシャルベンチャー」だ。
我々は「自己責任の刃」に晒されて社会を泳いできた世代だ。
同世代には就職氷河期を泳ぎきれず、今もワーキングプア一直線で社会からはじかれ続けてきている人も多く、社会問題になっているのは周知だと思う。
そんな中、既存の社会の枠組みとは違うところで仕事に対するアイデンティティを見つけよう。仕事自身を楽しみたい。まずは自分が幸せになりたい。そして自分の仲間達を幸せにしたい。そう考えながら独立したのが我々の世代だ。
だから我々第三世代というのは、どちらかというと社会的な問題点とは少し距離を置いた「自己実現の起業」という側面が強いのだと思う。
今のソーシャルベンチャーの流れは、「自分中心」から「社会中心」へのゆり戻しなのかもしれない。
それは、第二世代までが歩んできた「会社中心・利益中心」とは似ても似つかないものだし、第三世代が自分の周辺に幸せの範囲を限定しがちなところから、対象を社会に広げていく流れともいえる。
しかし一方で「社会の公器でありたい」という社会貢献に根ざす考えは、どの世代のベンチャーであっても必ず抱いてきた「理想」の一つであることは間違いない。
ただその手段や経路が違う事と、会社としてのもう一つの至上命題である「収益性」をどのように解決していくかというスタンスの違いでもある。
実際、社会起業家の多くは自己犠牲の上で組織運営していくケースも多いだろうし、経済的な犠牲を社員に押し付けてしまうとすれば、高邁な理想も霞んでしまう。
だから、私は今の自分にできることから、そして自分の周辺から社会にリーチする幸せの形を目指して生きたいと思うし、これからの社会起業家の方達とはビジネスを通した形の付き合い方を考えていければと思っている。地に足をつけたビジネスや自分の周囲から幸せにしたいという従来のスタンスは非難される事は無いのだ。
目に見える理想の形が立派なほど、現実との乖離は激しいものだ。ソーシャルベンチャーで起業・・と考えている人にこそ、今まで以上に慎重な創業を目指して欲しい。会社というのは、身を預けてくれる人達が幸せになる事も使命の一つだし、利益を上げて税金を納めることも立派な社会貢献の形だ。社会貢献をビジネスの形で解決するのは、想像以上に難しい事だろう。
そして、我々もその理想に触れ、学ぶ事がたくさんあるはずだ。「稼いだ利益を何に振り分けるか」という問題は社会起業家が増えるほど重要なテーマになるだろう。アプローチの仕方はそれぞれだろうが、企業は社会に認められなければ今後は生き残っていけない。
ソーシャルベンチャーである事は、ベンチャーの生き残る必要条件の一部に変わっているのだ。
2008年8月9日
ベンチャーの推進力は構成員の「積極性」に他ならない。
当社のサービスは「セールス」では受注できない。ニーズの無い所にはどれだけ売りこんでも買ってもらえない種類の商品だ。
だから多くのスタッフは、「口をあけていれば仕事が投げ込まれる。」という気持ちで受身になっているのだと思う。一作業員としてだけであればそれでいい。オーバーフローした作業をお願いした時にキッチリ作業してもらうのが、期間で雇用しているアルバイトさんや協力会社、個人事業主というものだからだ。
しかし、社員の仕事はそこで留まっていてもらっては困る。暫く契約が途絶えているお客様から情報を得たり、うちの受注余力を伝えたり、仲間の仕事を手伝ったり、会社がお客様からお金を戴き、作業してくれた人達に配分するまでの処理を円滑に行うために、自分が何をできるかと考えてもらいたい。
もちろん各個に割り振られた役割というものがある。しかしそれは最低限で、発生する「例外処理」から目を背け続けていては成長もないし評価もできない。特にスポットワークを担当している社員は余力のある時間が多いと思う。そういう時に積極的に自分から動く事が大切。
8月はちょうど、内定者がアルバイトで研修に来ていて先輩社員の働きを見せるチャンス。良い背中を見せる事も大切な仕事の一つだ。
2008年8月9日
昨日お客様のところで振込手数料についての話をしていた。
振込手数料は、基本的に振込む側の負担で支払うものだ。法的にも常識でもそれが普通である。
しかし、実際はサービスを提供する側(お金を頂戴する側)が負担する事が多い。それはやっぱり何といっても購買者側が取引では「強い」からだ。
当社では、当社からの振込の場合、振込手数料は当社持ちで支払う。それはやっぱり「良心」からそうしている。小さい金額の振込が沢山発生する場合、手数料負担はとても重く感じる。自分達の負担にしたくないという気持ちは誰でも同じだ。
個人向けサービスをしている場合、購入者の振込手数料を企業が負担してあげるのはサービスとして利に適うと思う。だから事業者がサービスとして取り入れるのは自然だ。力関係も、購買者が個人であればそこまで強くならない。
企業間では、初期の契約による事が多いけれど、平気で手数料を差っ引いて支払ってくる会社は多いし、契約の際に交渉の余地があるところは少ない。振込手数料を押し付ける会社。そこには対等の取引相手と思っていない考えがやはり透けて見えるものだ。
そういう場合でもうちは当社負担でも構わないというスタンスで契約を結ぶ。でも「振込側が負担するのが常識ですし、誠意だと思いますよ。」とは必ず伝えるようにしている。コンプラだの社会的何とかだのいくら声高に叫んでも、振込手数料を差っ引いて支払うような企業体質の会社はやっぱり自社利益第一主義なのではないだろうか。
一番最悪なのは、社員や個人事業主に支払う時に振込手数料を差っ引いて支払う会社。給料は全額払いが原則だから完全にイリーガル。個人事業主に対する場合でも、やっぱり力関係にモノを言わせて手数料を負担させるのはアンフェアだと思う。
振込手数料なんて小さい金額だけど、薄利な企業にとっては大きな問題だし、関係者は目に見える形としてその企業体の「誠意」を受け取る。
だからうちは、これからも振込む時は当社負担だし、振込んでもらう時には原則お客様負担をお願いする。お客様側のシステムとして難しい場合には、必ずこの「誠意」の話をする。
心ある経営者には必ず響くものがあるはずだ。