2004年12月11日
組織が大きくなると、気の合うもの同士で固まるようになる。
人間だれでも好き嫌いや気の合う、合わないというものがあるので自然な事ではある。
しかしマネジメントをする側の人間は意識して派閥を作る事を避けなければならない。特に人事に携わるものは人の評価の基本を中立に置くべきである。
仲の良い人を優遇するというのでは、大きな組織を効率的に動かす事は出来ない。また、古くからいる人を優遇するというのであれば、新規に優秀な人材を取り込むことは出来ない。
ある人事担当者は「だから、なるべく公正な評価をするために特定の人とは仲良く付き合わない。」と云っていたが、これは違う。理想は「全ての人と仲良く付き合う。しかし評価はそれとは別に客観的に行う。」でなければならない。
しかし、そうすれば「あれだけ親しかったのに、評価はこれか?裏切られた!」と思われるシーンが必ず出てくる。特に人は自分の能力を2割増程度で見るというから、評価に際して低く見られた、と思うのは自然な事なのである。
人事の孤独を派閥で守るという姿は大企業の悪しき風習だ。人事の苦労を理解するのはむしろスタッフ全員でなければならない。
「誰々と一緒ならば、この仕事はやれません。」
という発言は人事のそうした苦労を理解できない発言であり、派閥を生む姿勢の第一歩である。人事を守れない考えをするスタッフは結局自分で自分の居場所を無くす事になる。
2004年12月10日
組織戦の勝敗は副将がカギを握る。
たとえ2・3人の小さなグループだとしても「この仕事は誰々しか出来ない。」という状況ではそこから上を目指す事はできない。自分の創りだした仕事をルーティーン化させ、同じ事が出来る誰かを育成する。同じ仕事を複数の人ができることにより、初めて新しい事にチャレンジする土台ができる。そもそも一人しか出来ないような仕事は、その人を休ませる事すらできないので組織としては大きなリスク要因である。
だからこそ、「この仕事は俺にしか出来ない。」と言う人を有能だとは思わない。自分が創りだした仕事を自分がやれるのは当然である。自分がやれば早く、正確にできるとしても、人に教え、任せられる人を作る事の方が何倍も重要なのである。必要なのは、ナンバー2を作れること。そのためには、組織というものを理解し、リスクヘッジする必要を知る事。
自分の今もっている仕事はどんどん人に譲って自分はさらに新しい事にチャレンジする。これが本当に有能な人材である。
さて、この事は、「会社」という単位でも当然当てはまるが、たとえ1日の現場であっても複数で行く場合には当てはまる。だから、現場の取りまとめを任せられたのならば、自分がいなくても取りまとめを任せられる人を育成するように心がけなければならないし、一作業員で参加する場合でも、いつでも取りまとめの代理を務められる、そのシーンでのナンバー2には自分がなるのだという心構えが必要になる。
組織戦の勝敗は副将がカギを握っているのだ。
2004年12月8日
リーダーの条件、というのを考えてみると基本的にはたった一つだ。
「夢を語ること」
その夢を共感して実現するために人が集まり、当面の目標が立てられ、計画が進む。まず、夢を語るのだ。そこに希望がなければ人を集める事など出来ないし、数だけそろえられたとしても集団としての力を引き出す事など出来はしない。
一方、夢を実現するための道筋を決め、システム化する事はマネジメントの仕事だ。マネージャがリーダーである必要はないし、リーダーの条件でマネジメントが必須というわけでもない・・と思っていた。しかし、だ。必須条件では無いにしても、優秀なリーダーは夢を語り、その夢を実現させる能力を示さねばならない。
リーダーシップは情熱であり、マネジメントは能力である。
ここで自分を振り返る。リーダーの条件である「夢を語ること」は日頃心がけているし、当社の仲間には思いを率直に伝えている。このプレジデントルームもその趣旨が強い。翻って、マネジメントはどうだろうか。スタッフやお客様にばかり迷惑をかけていないか。皆が気持ちよく働けるように、社内のシステム化を勧めているか。戦略を実現させるために具体的な行動をとっているか。簡素で効率的な事務ワークを正確に行うための準備は整っているか。
反省すべき点は多い。人任せにしている点も多い。
組織である限り全てを自分でやる必要は無い。しかし、唱えた夢の実現には、マネジメントスキルの向上、自らアイデアを出し、判断を下す実行力の向上が必須である事は疑い得ない。
夢は願うばかりでは叶わない。まずは実行力を伴ってこそ階段を駆け上がる事が出来るのだ。
2004年12月7日
仕事を行う上で効率的に複数の案件を処理する場合、優先順位を付けなければならない。
どれも大切な仕事なのは間違いないが、指針としては以下の事を基準に判断することにしている。もちろん今の段階で、ということであるが、会社トップが現在どんなことを優先させたいかと記すことはスタッフにとってもお客様にとっても重要なことと考える。
1.急務
急なトラブルや依頼に関しては何をおいても先にやる。携帯は肌身離さず持つ。24時間出る。必ず出る。必要であれば即決する。
2.誰かの強い思いが感じられる案件
例えばクライアントがこれだけは何とかしたいと考えている案件や料金以外で得るものがありそうで外せないと思う案件。または、どうしてもこの資料が欲しいといったような要望に至るまで、仕事に気持ちが乗っている場合の優先順位は挙げたい。
3.直接お金の絡む仕事
請求書や給与の振り出しのように仕事をお金にかえる仕事はきちんと大切に処理したい。
4.手配
仕事のスケジューリング。誰にどの案件を任せるか、クライアントからの連絡が滞りなくスタッフに伝わっているかなど。仕事の信頼にかかわるのできちんと行うようにしたい。
5.営業
仕事を間断なく取ることが企業が生きていく道。特にスポットメインの当社では常に先のアンテナを張っておくことが安定発展の鍵になる。
6.仕事後処理
誰がどの仕事をしたか等のログ取りやクライアントへの報告。この仕事の手を抜くとお金のやり取りの際仕事内容を把握することができなくなるし、次の仕事につながらない。
7.自分の抱えている現場
代表者だからこそ、一つ一つの現場を丁寧に処理することが会社全体の品質の指針を上げることになると信じる。
8.戦略
会社としての形を作る仕事。本来の経営業務。組織が大きくなるほど会社としての戦略的な行動が必要になる。私は徹底した現場主義であるが、それは会社を戦略的に見ないということではない。現場の目を持ちながら、会社をどのような方向に持って生きたいか、どんなシステムを築くことがうちにとって有益かを模索し、判断し、実現することが自分の役割だと考える。
9.親睦
うちの基盤は人である。スタッフであり、お客様である。スタッフとの親交を深めて強い信頼関係を築くことができれば、より細かい配慮を会社のためにしてもらえるようになる。もちろんその人の志向や技術を深く知ることができれば、適所におく事もできるしより責任の在る仕事を任せることもできる。お客様との親睦の重要さに至っては今更説明するまでも無い。全ての仕事は信頼関係を基本にお任せしてもらえるのだ。
10.売上
売上は現在利益よりも優先する。請ける事により次の仕事につながるのなら今の損をあえてとろう。利益が出ないからといって請けずにスタッフに充分な報酬を与えられないのなら、結果的に人が離れ利益を生み出す資源がなくなる。まず売上ありきである。
11.利益
利益は最後である。しかし企業体である以上、利益を生み出しスタッフに報い、より大きな仕事を請けられる体力をつけ、信頼性の高い企業になる。
細かく分ければいくらでも優先順位はあるのだが、今はまだ会社の数字は優先しなくてもいい。大切に目の前の仕事をきちんとこなしていくだけで充分に数字はついてくる。今優先すべきは、気持ちをくみ上げること。スタッフの気持ちを大事にして、クライアントの気持ちを大事にする。それでいい。