フジサンケイビジネスアイ:中部ビジネス

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2005年8月18日

《Alpha Geek》

最先端と思われる技術群を探り、その動向を模索して方向性を指し示す。我々の様に経営者であり、かつ技術者である人間には、そうした資質が常に求められている。こうした特性の人種は「アルファギーク」と呼ばれる。
私は普段の行動をなるべくオープンにしているが、それでも親しい友人や同僚の中にも、「私が何をしているのかわからない時間帯」というものが、存在しているだろう。そうした時間帯の多くは、なんらかのメディアから知識や概念を入れたり、思考したりしているのである。
そして、興味深い分野では長考になる。
今日のテーマは「wiki」だった。ほんの先日まで私自身は全く知らない技術であったが、友人の何気ないコメントでその存在を知って以来、可能性を模索している。簡単に説明すると、ウィキとは複数の人で管理するブログのようなものである。ブログにおけるこの記事部分も皆で記載することが可能であることから、BBSにより近いとも考えられる。代表サイトとしては「ウィキペディア(Wikipedia)」がある。
こうした百科事典型のサイトはもとより、ニュース型、グループウェア型と用途は非常に広いだろう。まだ仕様をしっかり飲み込めていないが、権限とストレージ部分が確立されていてMySQLあたりのデータベースをユーザが簡単に組み込めるようになれば、とんでもないキラーアプリに化けるのではないだろうか。ブログを初めて見た時、「これで個人がホームページを持つための敷居が無くなった。」と感じたが、ウィキを見た時には、「これで個人がホームページを持つ意味が無くなった。」と感じた。
興奮して思考を拡張していくうちに、時間は瞬く間に過ぎていくのである。

先月「タイムマネジメント」でも示したように管理すべきは「時間」であり、我々経営者はパラレルしていく起こりうる未来を意識的に判断して掴み取ったり、幸運に任せて流されたりしていくことになる。
時に私は、「あったかもしれない現実」、いわゆるパラレルワールドについて考える事がある(けして現在を後悔しているわけではないが・・)のだが、それでも今でも、観察できるまでわからない不確定な状態の間を走り回っている。
「シュレディンガーの猫」というパラドクスがある。テーマとしてはこんな感じだ。

箱の中に猫を入れて観測者から見えなくする。1時間の間に50%の確立で致死性のガスがでる。1時間の猫の状態をどう説明するか(生きているか死んでいるか)?

一つの解釈としては、観察するまでは全ては不確定であり、それまでは「生きている猫」と「死んだ猫」が量子的に重なり合った状態で存在し、生死を確認した時点で状態が収束する。というものである。
「確認した時点」が蓋を開けた時点なのか、ガスが出た瞬間なのか、といった定義の問題が新たにでてくるが、そもそも確認者が必要であれば、厳密には「意識」が何時発生するかを詰めねば正確性を担保できない。とりあえずは、確認者が自分であれば「状態が収束」した時点で確立は現実として一つとなる。
もう一つの解釈としては、「状態の収束が起こらない」とするものである。つまり確認者が「生きている猫」と「死んだ猫」を確認した時点から確認者も「生きている猫を確認した人」「死んだ猫を確認した人」に分岐して量子的重なり合いの状態を続ける、というものである。つまり現実は分岐された先で複数に分かれていくけれども、分岐先それぞれでは他の分岐先は見えない。
以前酒席でいつものように、「あったかもしれない自分」を語りながら「もしかしたら今ドラえもんを作っていたかもしれない。」という話をした時に、同席の友人から「それなら、もしかしたら作っている日向が、今現実にいるのかもしれない。」という返答が帰ってきて、その後このシュレディンガーの猫の話に及んだ。
なるほど、分岐先の自分から見れば他の分岐先は見えないのであれば、そういった分岐先も現実の一つとして折り重なっているかもしれない。それであればそもそも「ドラえもんがいる世界」もどこかで分岐されていて、折り重なった現実の一つともいえるだろう。
当面我々は分岐された先の一つの世界しか見れないのだが、現実が複数に折り重なるというのはエキサイティングな考え方だ。収束されるたった一つの状態が、過去から未来における唯一の現実だと考えていた自分にとって、夢の器が一つ広がった感じがした。

2005年8月12日

《緊急》

当社では「お客様が困っている時にいかに対応できるか?」に重点をおいている。
ある意味それは、「システム化された合理的な会社」とは対立する定義かもしれない。
契約を守って、自社の理を通すことは実は難しくない。しかし信頼できる人、会社というのは、その向こうにあるものだ。
私自身、緊急対応で夜中突然の作業に呼ばれることがある。現地に行ってみると解決済みや作業日変更で、無駄足に終る場合も多い。
しかし、こうして動く事の意義は大きい。作業自体でPR出来なくとも、心意気は必ず繋がるものだ。
当社はそういう会社でありたい。

2005年8月9日

《決算報告》

第二期(平成16年7月1日~平成17年6月30日)の決算内容が固まったので、ご報告いたします。
http://www.triumph.tc/corporate/kessan.html
第二期決算では、売上高24,818,895円。営業利益177,875円。経常利益177,888円。当期純利益39,988円。となり、第一期からの繰越損である38,800円を差し引いても1,188円の当期未処分利益を上げることができました。
第二期の一つの目標である通期黒字を確保することができ、これまで健全なお取引をしていただいているお客様、当社スタッフに改めて感謝の気持ちを伝えたいと思います。
また、売上高ベースで見ると、第一期が400万強であったのに対し、第二期では2500万近くに達し、およそ6倍近く規模的には成長することができました。また、同時に外注費を中心とする販管費の増大は、当社のスタッフに対する支払が拡大したことを示し、スタッフの作業量・単価は共に第一期と比べ物にならないほど充実したことが判っていただけると思います。私達経営者に対する報酬に関して申し上げますと、第一期は0であった役員報酬が第二期では月々8万円(10月からは専務分も追加)と増額しております。最後に、スタッフとのコミュニケーションや意思疎通を確認するための会議費、お客様との接待費など、取引増大のための布石として重要な費用は積極的に使う方針で参りました。
第二期と同様に今期もまだまだ「持続可能な成長」を追い求める時期であり、この時期に会社の利益のためにスタッフへの支払を抑制したり、必要経費を惜しんだりする段階ではないとの認識でおります。つまり、外注費・通信費等の増大は事業規模拡大には欠かせない部分であり、「最終黒字の確保」を守る限り、出し惜しみはしないという方針で今期も参りたいと考えております。
当社スタッフにもこの点、励みにしていただければ幸甚であり、またお客様も頑張って作業する作業員に対しダイレクトに報酬を反映させられる会社であることをご理解いただると思います。
また、短期借入金は、全て社長である日向より会社への貸付となりますので、財務基盤は極めて健全であり実質無借金経営をしております。現金及び預金に十分資金があるのに、なぜ私からの借入資金が存在するのか?という点では、当社においては報酬支払日が売上入金日より平均一月ほど先行しており、短期資金をショートさせないために十分な現金余力を持たせております。また、次の目標である1000万円までの資本金増資、株式会社化のための原資となる資金であり、デットエクイティスワップの可能性も含め、安全な運用資金としてこのまましばらくは活かして参りたいと考えております。
以上、当社は透明性の高い会社を目指し、けして短期の会社利益を追求するのではなく、全ての利害関係者の満足度に配慮した経営を心がけて参りたいと思っております。まだまだ皆様のお力をお借りしなければなりませんが、何卒今後とも有限会社トライアンフをお引き立ていただきます様、お願い致します。
これをもちまして、第二期の決算報告とさせていただきます。
ご質問などございましたら、日向までお問い合わせ下さい。