この間「企業に必要なのって、まず資金とアイデアだよね。そして組織としての方向性がきまれば、仲間を集める指針にもなるし・・。」という話をインターンの子がしていて、なんかちょこっと違和感を覚えた。
学生でベンチャー志望の子に聞くとまずでてくる単語二つは金とアイデア。ついでビジョン。どうも起業講演かなんかをそのまま引っ張ってきたような似たり寄ったりの話しが繰り返し聞こえてくるような気がするのだけど、この順番って違和感ないかなぁ。
俺ならお勧めはまず自分の経験のある分野、できればお客さんもついている状態で走り出して、安定サービスや商品をつくる。まわしながら財源を確保し、関連のアイデアを付加していく。その過程で、組織体としての理念やコアの意識を固めていく・・という順番だと思うので、「初めにカネとアイデアありき」にはあんまり賛成できない。机上で作った事業計画書とかマーケティング資料では実際って恐くて走れないんじゃないかな。
まぁ、それでも大博打うって成功して、有名になった人もうじゃうじゃいるんだろうけどね。
事業主の本分はローリスク・ミドルリターンだと思っている。投資信託のような経営。社員は会社に色々なものを預けているのだから、「会社」として育てていこうと思うなら、ベンチャーであるからと云ってハイリスク勝負ばかりを志向するのはどうかなぁって。
リスクとリターンは拮抗するものなんだけど、ミドルリターンあたりのものを探せば、時期や規模やその他の経営努力によっていくらでもリスクを軽減できる案件は転がっていて、確実に育てる方法はいくらでもあるのだと思う。
だから、血気にはやるベンチャー志望の子達に水を差すわけじゃないけれど、
アドバイスはいつも
「あんまりおもいっきりやっちゃダメだよ。」
というのだ。
市場最短で上場するのも、時価総額を膨らますのも、メディアや殆どリスクを取らずに実入り得ようとするベンチャーキャピタルだけ潤って嬉しいだろうけど、それってそんなに意味があるかなって。
大きなカネにモノを言わせてM&Aも面白いかもしれないけれど、資金の範囲内で綺麗なオトを響かせるのも企業家の腕の一つだと思う。上を狙うハートはガッツンガッツン燃やしていくけど、自分達の大切のものを見失わないように。
きっと「アイデアとカネ」を起業の基本と考えているんじゃ、本当にその人がやりたい事はできないんじゃないかな。

2006年9月2日

《半歩身を引く》

新しい事務所に来て以来、背中を押すものが増えてきた。
インターンの子達であったり、飛び込み営業で来る人だったり。
活性化はもちろん歓迎なんだが、つまみ食いのようになってクローズしていない要件が溜まってきている事も事実だ。
ちょうどこの週末は固まった仕事も無い。
たまには半歩身を引いて、どっしりと仕事をしてみよう。

正直、経営者になると「消費税」が恐い。
ある程度高位安定してしまえば何とでもなるのだろうが、成長期のベンチャーにとってキャッシュフローの脆弱さというのはどうにも避けられない課題なのだ。消費税が上がってくれば、成長スピードは間違いなく衰える。
国家として考えれば、いづれ消費税増税は避けられない方向だとしても、もう少しうちが成長しきるまで待って欲しい。
谷垣さんに総理になってもらっちゃぁ困るわけだが、安倍さんも。再チャレンジを応援する前に今チャレンジしている人をとりあえず見て欲しいな。

国際ジャーナル:地域に生きる

国際ジャーナル:地域に生きる

2006年8月31日

モトム。人。

人は欲しいが金はない。
ベンチャーには現在支払える許容量と欲しい人材にどうしても開きができる。
だからこそ、「育てる力」は必須能力。
当社にも育成方法はあって、少しずつだが練られてきた。必要なことは目に見える形で制度化すること。「採用−育成−運用」までをきれいな流れにして持っていくこと。
インターンを受け入れながら、育成ノウハウをつんできて、この9月はチョットいい形で纏められるといいな。
ヒトヒトヒト、すべてはヒトのシツにある。