2005年9月12日

《自民圧勝》

なるほど。こういう結末もあるか。
意外であったが、それでこそ政治が面白い。
小選挙区制の意義についてそれほど自分では評価していなかったが、政権交代がありえるということは、これほどの与党圧勝も十分ありえるということだ。正直認識が甘かった。
衆院で3分の2の議席があれば、参院不可欠の案件も差し戻して衆院可決できる。つまりもう何でもできるということだ。事実上不可能と思えた郵政民営化再提出も実現可能になったわけだ。それだけでも意義としては大きい。続く改革も同様にやりやすい。良くも悪くも政治は大きく動ける状況ができたということで、良くも悪くもガンガンと変化を進めて欲しい。
さて、選挙が落ち着いたところであらためて争点となった郵政民営化についても考えてみる。
本来であれば、郵便と金融(郵貯・簡保)は分けて考えるべきだし、私としては郵便は国営でもいいと思う。不採算地域を民営企業がカバーするのは株主利益に反しているし、だからと云ってバッサリ切り捨ててしまっても良い問題ではないからだ。一方金融は途上国等では国営でもいいと思うが、成熟した資本主義社会下で国営でやるのは間違っていると思う。金融は民業ですべきだ。民主党が語っていたように、現在のままで民営化したら超巨大独占民間企業ができて、しかも筆頭株主が国になるアンフェアな自民党案ではあるのだが、私はそれでもいいと思う。第一歩が大切であり、不適切なものは当然市場や社会から避難を浴びるのでそのままでは存在し得ないからだ。本義では民主党案のように段階縮小してからというのが理想的であっても、拙速に巨大企業を作ってしまっても良いと思う。
ともあれ、郵政は民営化の方向で民意が取れた。民意であるからには、即刻実現すべきだと思う。野党も負けたからには潔く協力して欲しい。この上審議に時間を取られるようでは次期政権を担う野党としての存在意義を問われてしまう。民主党も今回の選挙の敗因を「郵政に反対したこと」と割り切って分析して次に進んだ方が良いのではないだろうか。既に反対するだけの野党に国民は付いてこないことは明らかになったのだろう。政策ごとに協力すること、修正すること、反対すること、党内の方向性を集めて決めていかなければなるまい。
特に、郵政以後とされる、財政改革と年金改革は待ったなしの状態だ。財政は各時代・各党の政策でぶれることは問題無いし、柔軟に変革していくべきだと思うが、年金を含む社会保障の問題は政権交代したからといってコロコロ政策が変わるようでは困るのである。与野党結束してどの政権下でもぶれることの無い長期に通用する政策を掲げるべきだろう。
さて、我々国民が政治に参画できる唯一の機会である選挙は終わった。私は私の周りの人達がどんな理由で何党の誰に入れても良いと思う。ただ最低限選挙には参加して欲しい。ここまで発展して我々が生活できる基盤を作ってくれたのも今までの国民が行ってきた政治のおかげであるし、こんなにも無造作に借金して今後の大増税を招いたのも今までの国民の責任である。
こんなにも借金まみれの国を残してくれた先人達には心底反省して欲しいと思うし、この難しい次代の舵取りを任せられた我々の責任も重い。私達は私達の子供や孫達に最低限責任を持つ身として、本当に最低限選挙には参加すべきであると思う。
今回は、多くの私の知人も選挙に参加してくれた。本当に嬉しいと思う。