2004年12月25日
「拙速」とは、仕上がりは早いが出来は悪いの意。あまり良い意味で使われることの無い言葉である。それでも私はこの言葉が好きだ。
最近プロフェッショナルについて考えさせられる機会があったが、私は「職業として行動している人」以上の意味で定義していない。巧いか拙いかはプロであることとは関係が無いと思っている。
もちろん、お客様には最高峰の品質を提供したいと思う。しかし現実には最高峰に達してから商品化・サービス化するのでは絶対に商売になりえない。実際は、とにかくサービスを提供する。そしてその拙い商品からどんどん品質を向上させていくというのが、プロの求められる資質では無いだろうか。ソニーのラジオであれ、松下の電球であれ、初期の製品は市場における最高峰どころか、技術者本人ですら納得のいかない出来であったことは有名である。しかし、それを売って、売った資金でよい良い製品を作るという姿勢がまさにプロフェッショナルだと思った。また、WINMeみたいなバグだらけの製品をここまで世界に売りまくったマイクロソフトも心底プロだと思った(涙)。
拙速でも足を踏み出す勇気こそプロの必須条件。それがスピードを生むのだ。もちろんトラブルも生む。戦うからこそトラブルが起きるのだ。巧遅を極められるアマチュアにはトラブルなどは存在しない。
最高のものはいつか必ず作ってみせる。だから今はこれで前に進もう!
最後に好きな孫子の言葉を紹介する。
「兵は拙速を聞く」
聞くと表現しているのが面白い。良くも悪くもスピードこそが経営の命である。