2006年12月12日
前々からこそこそと話題に載せておりました融資が先週の金曜日に降りました。
当社は毎月10日が給料日で休業日の場合翌営業日になるので、その前日に入れていただけたのは、本当にありがたかったです。
もちろん融資のタイミングがずれても資金繰りはいつもどおりきちんとできているので直接影響は無いのですが、「ギリギリ」と「余裕を持って」では、安心感が違います。急にお金が要ることになる事もあるのが経営。キャッシュフローに余裕があることにこした事はありません。
金額は500万円。
ざっくり今の当社の状況をお話しすると、今期の売上は「1億円いかないかなぁ」という感じですので、1ヶ月あたり大体800万円。月末に家賃やら社会保険料やら落ちるのでこれが100万円くらいで、10日の給料日は500〜600万くらい必要になる。
そんな感じで500万っていうと、およそ一ヶ月分の余裕をもらえたって事でこれはキャッシュフローにお悩みの経営者にとってはとても心強いものです。でもこれを全部「余裕資金」として残すのはもったいない。カネがあれば打てる手も増えるのが経営者。もちろんムダに使う気は全く無くて、やりたいなぁと思っていたことを実行できるチャンスなんだよね。ポイントは、家計のように「余裕があるから貯蓄する」という発想ではなく「どうすれば効率よく投資し、回収できるか?」という視点。
さて、資金を入れる方法としては、銀行からのこうした融資(負債に入る借入)と、ベンチャーキャピタル等から入れる投資(資本への注入)があるよね。どちらにも色々なメリットとデメリットがある。
違いをここで2つ紹介しようかな。
ひとつ目。
支払う利息・配当の税金的な違い。
借入の利息は税引き前の経常収支の時に計算するから経費になる=税金が圧縮できる。けれど、投資に対する配当は税引き後に行われるから経費にならん=税金が圧縮できん。
ということ。税金的に借りたほうが有利なのだ。
ふたつ目。
裏側にいる利益享受者の期待度の違い。
銀行の裏側には預金者がいる。VCの裏側には投資家がいる。投資家って預金より効率のいい配当を期待しているから、当然VCに払う配当のが金利よりも高く設定されるものなんです。そーじゃなくても、例えば上場利益を狙う為により多くの口を挟まれたり・・とかね。一方銀行借入には使用用途が制限されたり、と、資本に入る場合とは違った自由度に対する縛りもある。
まぁそんな感じで、違いがあるんだなぁと思ってもらえればこの記事の趣旨は伝わった事にしよう。
でも、自分は証券出身だからあんまり知らなかった、「銀行マンの視点」ってのは、今回の件を通してすごく勉強になった。同じ「企業を助ける為に資金を出そう」とするのでも、見る角度が違うんだよねぇ。面白い。