2007年2月17日
ビジネス上で電話の応答というものは欠かせないが、いつになっても見ず知らずの人と電話のやり取りをするのは緊張するものだ。
コールセンター等のお仕事のなかで、かかってきた電話を受けて受け答えする業務をインバウンドというのに対し、積極的に電話をかけにいきダイレクトセールスをしたりマーケティングリサーチをしたりする業務をアウトバウンドと呼ぶ。
どちらも電話の向こう側にいる人がどんな人か分からない状態でのコンタクトとなるので、普通のビジネスコールとは違ったプレッシャーなり緊張感・不安感なりがある。
それでもどちらかといえばアウトバウンド業務の方がより精神的な負担は大きいものだと思う。
今日は、そんなアウトバウンドについてちょっと考えた事を書こう。
アウトバウンドで電話を100件、200件とかけていくうちに「電話をかける」事にたいするプレッシャーからは開放されていくのに気がつく。それは慣れるのか麻痺していくのかよく分からないけれど、少なくとも何も知らない頃の怖さみたいなものが無くなっていくものだ。
更に1万件、2万件とかけ続けていくと相手の声のトーンや受け答えによって対応を柔軟に変える事が出来るようになり、アポイント率・制約率などにも断然違いが出てくるようになる。
しかし、そうなっても実は心理的なプレッシャーというものは存在し続けるものだと思う。
アウトバウンドの面白いところは、段階によって精神的なプレッシャーが変化していく事だと思う。最初は電話する事自体への恐怖。次に制約率などの達成度に対する恐怖。もう一歩くると商品やサービス等の責任感から来る恐怖。その他経験を積めば積むほど色々な事が見えてきて、心にズッシリくるものは増えていく。
なんにしても、電話という顔の見えないツール一本で相手は様々な受け止め方をする。マニュアルに沿ったトークや話術も必要だが、電話の向こう側にいるのも一人一人違った人間。当然、こう話せばこうなる、といった画一的な対応には限度がある。
結局は、「その電話をかける事に対して自分は相手の役に立っていると感じられるか?」という部分が様々な不安を押しとどめるバックボーンになっていくのだ。後ろめたさがある限り、電話をかける手はプレッシャーに負け続ける事になる。