2007年2月26日
情報処理系の業界にいると、どのようにビジネス展開をしていこうとしても「秘密保持」についての基本的なモラルや知識については最低限抑えておかないと話にならないし、企業間であっても対個人であったも契約を結ぶ際には慎重に運ばないと痛い思いをしてしまう。
私自身はというと昔から「法務」というのはあまり得意ではない分野で、専門家の意見を聞いたり関連者や承認者の許可を取る必要があったりで、とかく時間がかかったあげくに後悔する事の多い分野である。
NDAに時間を取られている隙に肝心のビジネスタイミングを逸してしまったという経験は、我々ベンチャラーだけではなく多くの新規ビジネスを考えるビジネスマンやアウトソーサーにも共通してある経験じゃないだろうか。
創業期はこのあたりが適当であとになってから見直して無茶な条件で結んでいた事に気が付いたり、そもそもまったく契約が無かったりボロボロな状態になりがちだし、こちらから作成するときは前述のように守りに入りすぎて時間ばかり経過したりすり合う可能性を自分から狭めたりと折角の関係を崩してしまう事も多かった。
さて、そんな経験を通じて今感じているポイントは、「必要最低限」「できるだけ自分は一歩譲る」「無理だと思ったら契約事態を諦める」という事。契約はお互いが身を守るためのもの。できれば自分も相手にとってもきちんとしたものを結んでおくに越した事は無い。しかし、守れないほど詳細だったり、相手にあまりにメリットがよりすぎている場合は、かえって害になる事の方が多い。それでも取引するために絶対にその秘密保持契約が必要という事であれば、本当にその人や組織と付き合っていきたいのかもう一度ゆっくり考えてみたほうが良いと思う。
あとはいいアドバイザーを持っている事。自分の専門分野と法務に精通している味方がいるとしたらこんなに心強い事はない。