2007年3月31日
さて、何日か起業当初から考えていた事を回想してきたのだけど、徐々に「これから」を考える人たちに何かしらのメッセージになる形で伝えていけるといいな。
まず自分の「資本」を考える事。これを増やす事を考える事。
経営って会社トップだけが考える事じゃないのだ。働く人もそうだし、一家を支えようと思っている人もそう。一人で経済的な自立をしようと考えている新入社員にだって必要な事だ。
とりあえず、「経営」に興味を持っている人に絞ろう。私は起業を考えるなら「自分経営」から入るべきだと思う。
「資本」って今持っている貯金や現金を思い浮かべるよね。実際はここからローンやら借金を引いたものを資本って考える。
ここが現時点で大きくマイナスの人は一部の例外を除いて経営者には向いてない。いきなり30年くらいでローン組んで新築マンション買っちゃう若夫婦や給料もらい始めてすぐ新車買っちゃう新入社員は経営ビジョンは多分全く無い。例外というのはそれを使って収益を生む仕組みを考えている場合で、貸借用だったり広告用だったり信用を生むためのハッタリだったり、何か指針があるならそれはそれで良いのかもしれない。
なんにしても、資本がすでにマイナスという事は、現在は過去のマイナス資本=借金をクリアするために稼がねばならない。その借金によって何かしらの「収益を生む権利=貸し出す権利やら配当を受ける権利」を買ってないとしたら、稼ぐ方法は労働力に限られて、毎日労働力という自分の貴重な人生の時間を過去の清算に当てなきゃいけなくなる。
経営とは?というと、いろんな側面から答えがあると思うけれど、「投下した資本に対する利益率を上げていくこと」が原則だ。経営者が会社から受け取るのは「労働に対する対価としての給料ではなく、経営に対する報酬」になるよね。だから経営者を夢見るのなら、現在以降の未来に投下できる資本が必要になる。現在既に過去に追われているとしても策はあるけれど、ゼロ以上の状態であればその資本を今度はどう投下するかといった感じで考えていかなきゃならない。
資本投下するなら収益率のいいものに投資したい。これを投資家の「期待収益率」っていう。経営者はこの期待収益率を上回る投下資本利益率を実現していかなきゃいけないわけだ。上場企業のように投資家と経営者が別れているときは、それぞれ思惑があり、結果が出て、責任を取る。
起業家というのは、投資家=経営者ってのが一般的なのでこのあたりは好きに出来る。自分経営というのももちろんそのあたりは自由だ。経営であるかぎり利益を上げて資本を増やす・・というのが目標だが、豪遊しようが豪邸を買おうが関係者により多くの金額を支払おうがそれはそれでいい。しかし、資本が利益を上げ資本自体が積み増されるというのが、経営や投資の原則。
たとえば。
私が前いた会社の仕事は「オンライントレード」の仕組みを作ることだった。インターネットを使った株式の取引が出来るようになって、取引コストは激減した。投資家の期待収益率はその分上がったんだけど、「デイトレーダー」という毎日トレード画面に張り付いて取引する人たちが増えた。あれは、投資家じゃない。絵に描いたような完全無欠の労働者だ。結果、取引コストってどう考えても彼らは上がっている。彼らもきっと経営には向いていない。
私は、昔の証券会社が謳ってた「長期投資はリスクが減ります」っていいながら、ド高い手数料を徴収している、自称証券アドバイザー(営業マン)経由の取引を嫌ってオンライントレードの企画に熱中していた。
だから殆どの当時の同僚は私を「短期デイトレ志向」と思われがちだけど、「お金自身がお金を生むシステム」が成り立たないデイトレについては、私は「投資」とはとてもいえないと思っている。投資家に労働力コストを負担させる「デイトレ」は営業マンの労働力コストを負担させる「営業マントレ」と同じくらい嫌いな投資法なのだ。
ま、ドキドキする博打的な意味では刺激があっていいと思うけど。。
さて、自分経営に戻るけれど、「では労働力以外で資本を投下すべき先は?」とくると何か必勝法があるような答えを期待するかもしれないけれど、そこから先は「自己責任」の世界が待っている。
このアドバイスはずるい?
ずるくない。本当にそうなんだ。投資にしろ経営にしろ責任の所在は常に自分にある。
大切なのはそのアドバイスをもらう先で、鉄則は「販売者に聞いてはいけない」という事。
売買手数料で事業しているブローカー(証券や保険や不動産の営業マン)にアドバイスを聞いてはいけない。
相対売買(客が存したら儲かるような売買)で事業している商品デリバティブ等の先物会社にアドバイスを求めてはもっといけない(笑)
アドバイスを受けるべき先はその業界で実際に戦っている投資家か経営者であるはずだ。
私に相談してくるとしたら、・・うーん。
また長くなりそうなので、今度続き書きます。