2007年4月3日

不動産ビジネス

私は証券出身で、不動産はちょっと疎いのだけど身近な事から。
今住んでいるアパートの一階はチェコ料理屋をやっていたのだけど、3月末で閉店したみたい。入居のとき一度だけランチを食べに行ったのだけど、リピートするほどの特徴も無く、味も正直に言ってしまうとユニークで中々日本人に合うかどうかは疑問に思った。でも、多分大家さんか不動産やの関係者がやっていたお店だと思うし、きっとこの建物ができた時から続けていた商売だったので思いいれも深かったんだろうな。撤退は悩んだ末の結論だったと思う。来る日も来る日もガラガラの駐車場でちょっと心配だったのだけど閉められてしまうのも残念な感じ。
ついでに、この建物は3階建てで2階・3階に3つづつ6部屋あるのだけど、現在3部屋しか埋まっていない。内装もピカピカにしてあるし、駅から根性入れれば歩けない距離でもない。これで入居者あつまらないのだから不動産ビジネスって本当に難しいのだろうと思った。
ちょっと昔の話だけど、3LDKくらいの分譲マンションを中古で500万くらいで買って数年で住みながら返しきっちゃって、それからその物件は安く貸し出して家賃収入を得るって話、聞いたことがある。その家賃収入でもう一発ローン組んでもう一個500万くらいの分譲マンションを買ってそこに住む・・とかね。
家を「資産」として活かすという発想からは良いと思うし、このくらいの値段帯なら価値の目減りも殆ど無いだろう。けど、金額も大きいし途中で逃げられないし。なによりもそんなボロいのに入居者くるかなぁ。
そもそも不動産の価値って評価が難しいと思う。だから異常に稼ぐ人もいるし大きく損な取引をしてしまう人もいる。要するにアンフェアでクリアになっていないマーケットなんだと思うな。
それでいて、不動産でも最近は証券化が進んでいるのできちんとプロがフェアに市場で運用しているREITという商品がある。上場していて流動性もあるし、初心者であれば運用成績を見ながらとれるリスクの範囲の中で、これらの不動産上場投信の投資を試みた方が良さそう。まぁそれでは結局不動産ビジネスとはとてもいえないのだけど。
思うに不動産にしても、結局はコンテンツ次第だ。野球ドームもあそこでプロ野球をやって多くのお客さんが詰め掛けるから命名権まで売買されるほどの価値があるのであって、「ドーム」という建物自体が何かの価値を持つわけじゃない。
そうすると、インターネットの中のウェブサイトだって「コンテンツ次第」って趣旨では同じなわけで、制作費も管理費もべらぼうに安く、年がたつごとに価値が落ちたりしない(むしろあがる・・)。
名古屋も未曾有の好景気で、名駅まえの開発も盛んなわけだが、どうも不動産ビジネスってのには食指が動かないのは、我々がバブルの崩壊後世代だからなんだろうか。ネットバブルで踊っても、そちらの投資意欲は消えないのにね・・。
チェコ料理屋の灯が消えて、夜、家に帰ってくるときに建物がちょっと暗くなったのを残念に思った。
今日はそんな日。