2009年3月28日

リザーバー

メインの人が何かの事情で担当できなくなったとき、代理で誰かが担当できるのが「組織」だ。
その層が厚ければ厚いほど信頼性も高いし、当然いずれはその代理の人がその役割のメインを張る事になるかもしれない。
だから自分の仕事が一通りきっちりこなせる様になったら、自分の仕事が他の人にもできるように誰かに引き継いでいくことも大切だし、他の人の仕事を積極的に覚えていく姿勢も大切だ。
全員が自分の現在行っている業務だけ処理できれば良いと考えていれば、その組織に成長はないし、担当している業務が終了してしまった場合にはやれることが無くなってしまう。
営業職や企画職のように自分が仕事を生み出していく立場の人間であれば、個人プレイだけでも利益という形である程度の組織への貢献は計れるのかもしれないが、○○しかわからない・・といった状況は、利益の大きさと同じだけ組織にとってはリスクになるので、やはりどんな職位であったとしてもリザーバーの存在意義は組織にとっては大切なことだ。
そんなことは誰にだってわかっている。
しかし、忙しすぎると中々プラスアルファの仕事を覚えたり、誰かに仕事を教えたりという時間は裂けないものだ。
今は、多くの会社が極端に人を減らしてしまっているので、極少数の超絶多忙人間と、働きたくても働けない、あるいはやれることのない人間の二極化がどんどん進んでいる。
必要以上のリストラで人員を最小限にしてしまった組織はいざ攻勢に打って出ようとするときに本当に後悔することになると思う。
一方で、こういう時代にコストをしっかりかけて、自社のリザーバーをきちんと育成していく企業、或いはお客様の業務のリザーバーまで務められるようになっている企業は、大きな伸びしろを持つことになる。
コストがかかっているのはリスクではない。目先の利益を取ってリザーバーを残せない体質になってしまうことのほうが危ないのだと思う。