2024年7月12日
日向です。
昨日の投稿をした後に、証券時代の友人から「読んだよー」って声かけて貰えたので、もう一つ投稿してみる。
最近、銀行の融資営業が激しくなってきて、それと同時に、「是非預金を口座に置いておいてください。」という話が格段に増えた。亜流の、定期預金お願いしますとか、アレコレ買いませんかとかも。
3月に、ゼロ金利が解除されたのだけど、そうすると日銀当座預金で銀行は0.1%利ザヤがまた取れるようになったから、それまでの「預金正直ジャマなんだよね」という姿勢が一変して、昔の様な預金集めが再開したのだと思う。普通の銀行お預かり金利なんてまだまだ地を這っているので、めちゃめちゃ儲かっているはずだ。
まぁそんな中、当社も銀行さんからは大きく借入をしていて、1%を下回る名古屋金利ばかりなので、正直今までは長らくキャッシュをじゃぶじゃぶさせていた。しかし、インフレ・円安・金利高はもう待ったなしだから、ちょっとずつ何もしていない準備してるだけのお金を何かの現物にせざるを得なくなってきたのだ。私の感覚では、今、「円」というキャッシュは未曽有の大暴落中で、運転で回す分とプラスアルファはキャッシュ置いておかないとまずいけど、余剰の数か月分はみるみる価値が棄損していて恐ろしい感じだ。
現物資産って、不動産とか金とか、いろいろあるのだけど、投資信託ってすごいお手軽に漬けておける入れ物だ。数日でキャッシュ化できる流動性の高さはありがたいし、リスクも多様に取れる。
そんな中、銀行はいまだに法人向けの投資信託のラインナップをすっごい信託報酬や販売手数料のお高いアクティブファンドまみれにしている。なんなら、毎月分配投信まである。法人は、年金暮らしの高齢者かよ。。
大体、0.**%で銀行から借入している会社が、販売手数料を何パーセントか引かれて、信託報酬3%の投信買うってわけわかんないじゃない。そこには昔からの金融機関の悪癖、自分が儲かれば客はどうなろうが構わないってのが透けて見えるんだよね。法人は担当個人の金じゃないから、マイナスになってもいいんじゃない?お付き合いでやってよ?とか。いかんよ。私は会社のお金こそ、合理的に理由のつく運用をしたい。それこそ自分のお金じゃないんだからさ。
よく、「複利の効果」って聞くよね。でも、正確には株や投信は、「複利」の様なもの。だ。企業の配当って全然確定じゃないし、投信の配当なんてそれこそ気分次第だ。株や投信の投資の結果はいつだって、「買った時と売った時の差」つまり、「現在の決済価格÷購入価格-1」だ。パーセントにするなら、×100ね。まぁ配当で複利っぽくなっているという事だな。あと出しじゃんけんだね。
しかし、確定で複利の効果があるものがある。それが、金利であり、債券であり。そういう確定のものだ。
そして、この確定複利のものの中に、すっごい重要なものがある。それも投信の中にだ。
それこそが、「信託報酬」だ。未確定な投信の複利っぽい結果に、確定のマイナス複利効果である「信託報酬」がある。これは、すごいことだ。私は、コスモ証券時代に行った一番の貢献は先日書いた「投信のラインナップ増加」だと思っている。とんでもない福利効果で信託報酬が積み上がったはずだ。
市場は効率的だなんて、かけらも信じていない私も、高い販売手数料や信託報酬をとるアクティブファンドが、インデックスに勝てないってのはわかる。つーか、コストに勝てないだけでしょ?それ。
今や指数なんて言ったって、それこそアクティブファンドの様に色々なくくりをしたものが開発されてる。分散しまくればパフォーマンス良いわけでも無いし、「稲妻が輝く瞬間」に市場にいるかどうかは、インデックスというより、ドルコスト平均法の強みだ。
という事で、法人だって、ノーロードの信託報酬とかのコストの安い、色々な投信を買いたい。配当なんか要らない。利益出ているときの法人税は、個人の配当課税とかよりずっと高いし、ずっと含み益で良い。法人は歳を取らないからね。ずっと長期を見て、ずっと含みで益を出していけばいい。分厚い財務はそれだけで力だ、正義だ。
上場企業が、伊藤レポートでROEとかPBRとかを気にしだした。投資環境としては、本当に良くなったと思うけど、企業の安定感としたらどうだろう。分厚い純資産は安定した財務の要。5年間の企業生存率は欧米で50%割れ、日本では8割以上。PBR1倍割れみたいな解散価値のが高いのは論外だけどさ、5年で半分潰れちゃう企業に、安心して金融機関が貸せるかな。皆も安心して働けないよね。未上場企業は分厚い財務が大事でしょう。
今は、普通に法人でもSBI証券で口座開いてコストの安い良質な投信やETFが買える。でも、銀行だって置いておいて欲しくなってきた。なら、投信のラインナップを普通にしてもらいたい。販売してないのを取り扱うのは大変だと思う。でも既に売っているものを、法人に解禁するのは、役員の誰かの決済だけだ。ノーロードで信託報酬の安いインデックスね。
役員が、投資信託をナメているか、客をナメているかしているから、銀行の投信、特に法人向けは酷いラインナップで何億と損をしている。複利効果だよ。その企業の余剰資金、逃がしちゃダメでしょう。銀行の担当者はこれ読んだら、上司・役員を説得してください。銀行にデメリットは一つもない。ほんと。頼む‥。
2024年7月11日
日向です。
あまり相場の事は言わないように、書かないようにと心がけてはいるのですが、身近にインフレの影響もあり、今週会社の保有投資信託のリバランスをしていたこともあり、何よりも昨日会社から帰る時に小6になった息子とNISAやインデックスファンドの積み立て投資について語ってた事もあり、ちょっと面白かったので書こうかなと思いまして。
改めまして、日向です。学生時代はブラウン管のパソコンでデートレをしてまして、ファーストキャリアはコスモ証券という証券会社でオンライントレード「ネットレ」の企画・運用を行っていました。当時はネット証券黎明期。次々にオンライントレードに特化したシステムを組むライバルを尻目に、既存証券会社は既存のボロボロのシステムを活かしながら、そのホストコンピュータの制約に縛られながら、なんちゃってのWEBトレードシステムを上辺で構築してました。
私が営業からネットレの部署に行ったとき、所属したのは「メディアマーケティング部」。ホームページの管理とか、広告とかの部門だった。なので、このボロボロシステムでは勝負しなくて、当時の部長はマーケの力で勝負に行った。「月額定額制手数料」いわゆるサブスクモデルだ。当時としては画期的なモデルで、松井証券の一日定額手数料時代から時計の針をメチャメチャ進めた。
他にも、今にして思うとビックリする改革を矢継ぎ早に仕掛けた。私が最後にかかわったのは、「投資信託のオンラインラインナップの充実」だ。ホームページの投資信託のページ、日常業務として更新していて、興味があった。なんと、20本弱しかなかったオンライン取り扱い銘柄を、コスモ証券で扱っている全銘柄300くらい?まで広げたのだ。当時の部長も、主担当していたH先輩も本当にすごいなと思った。正直、デイトレードの鬼達を集めまくっていたネットレで、投信なんてつまらないものが売れるのかと思っていたのだけど、そこそこ売れて、その「そこそこ」がネットレの岩盤利益ストックとなっていった。当時私は扱うまで投信買った事無かったし、よくわかっていなかったのだけど、販売手数料の他に、信託手数料の一部を販売会社がもらえて、これこそホントのサブスクモデルだったのだ。
営業したいた頃、奈良支店では、投信では「グローバルソブリン」という毎月高額分配のタコ足投信をやたら熱心に勧めていた。グロソブブームは銀行や生保でも続けていたと思うので、ドットコムバブルが崩壊しても売りまくっていた。こんなんやるから、日本では投資家が育たんのだと思っていたのだけど、信託報酬・・そうなのか。と感心したものだ。もぅホント利益背反酷いぜ。投信は回転売買進めなくてモラルあるね・・なんて思っていた入社当時の自分は可愛かった。
そんな熱いコスモ証券時代、ちょっとだけFPや証券アナリスト系の勉強をしていたことがある。ネットレの仕事が面白くて、そっちのけになってしまったけど。そんな中、私の全く信じていない理論があった。「効率的市場仮説」だ。「現時点での株式市場には利用可能なすべての新たな情報が直ちに織り込まれており、超過リターン(投資家が取るリスクに見合うリターンを超すリターン)を得ることはできず、株価の予測は不可能である」ってやつだ。まぁ平たく言うと、インデックスはアクティブに勝てないってやつ。さらに言うと、投資家は超長期ではインデックスに勝てないし、世界は5%くらいは伸びてくんだからインデックスに漬けとけ。そうすれば絶対勝てるし、個人だろうかプロだろうが投資家は市場(パッシブ)には勝てんよ。というやつだ。テクニカルなんて博打で投機だし、ファンダメンタルズなんて将来の価値なんて誰にも分らんし、織り込まれとる。というやつ。
そんなことないよ。伸びてく会社と伸びていかない会社なんて、絶対違いはあるし、市場が長期で見ると上がるか下がるかなんて、時代とか期間とかの切り方次第じゃん。と思っていた。特に、バブル崩壊真っただ中で青春を過ごした私は世界が右肩上がりでパッシブ最強なんて全く思えなかった。
長くなった。もうちょっと続く。
私の証券時代は、ITバブル(ドットコムバブル)の崩壊期だ。ITにワクワクしながら入社して、貿易センタービルがぶっ壊れるのを見ながら、アメリカのIT企業株が紙くずになるのを眺めていた。
シスコシステムズは時代の寵児と囃されて、なすすべもなく株価崩壊した。ハイテク指数のナスダックも5分の1くらいになった。でも全然対岸の火事だった。前段で述べた投資信託も日本のものばっかりだったし、でもノーロードとかインデックスもちょっとだけあった。ノーロードって言葉を覚えたのも、その時だし。なんにしても、アメリカ株にリーチする方法ってあったのかよくわからない。少なくともネットレでは無かったと思う。ETFとかも出来立てだったし。ニュースと指数だけ見てた。実感値は無かった。
サブプライムのリーマンショックは記憶に生々しい。やばさがヒシヒシつたわったし、パリパショックのあたりから、まぁヒリヒリしていた。今の中国みたいな感じだね。
今のアメリカ市場の怖さは、ドットコムバブルの頃の怖さだ。NvidiaのPER80倍とか、もぅ正気の沙汰とは思えん。絶対どこかで崩れます。というか、この高価格もコールオプションの買いとヘッジの現物買いが合わさってエラい事になっているので、どっかのSQで逆回転しだします。私は、証券時代からこのSQってポンコツな制度、どこかで大変な株式操作じゃないかってエライ人が言って変わるかと思っていたのだけど、こんな1秒に何千・何万と売買や取り消しの入る時代になっても変わらず運用しているなんて正気の沙汰ではないと思う。近年の大幅な下げ相場はほぼ全部SQ絡みじゃない。規制しろよ・・。
という事で、どこかの第三週の水曜日に売り崩しにくるか、金曜日の寄り付きで上げ切って真っ逆さまに落ちるか。
S&P500もオルカンも、時価総額の加重平均でたっぷりNvidiaやGAFAM含んでいるから、とんでもない暴落でNISAでエントリーした初心者が見たことも無いようなデカい損失出ると思うんだよね。いつかは、全然わかんない。チキンレースだね。でも、そんな遠い未来じゃないよ。
という事で、今週はリバランスしていた。米ハイテクものを控え目に。アメリカは配当貴族とかに、日本・インドにも散らして。まぁパフォーマンスは落ちても良いので、リスクを落とす方向に。
つまり私は、市場が効率的なんて全く今でも思っていないし、ヤバければ逃げるし。稲妻なんて光りたければ光れば良いのだ。インフレも円安も怖いので、資産防衛として金も投資信託も買い進めたい。日本は金利も上がるし、資産インフレが起こる時代になったと思う。
そんな、自分が昨日息子に送った話。
「給料をもらうようになったら、2割くらいの一定額を必ず引き落とし処理して、運用コストの安い株式のインデックス投資を自動積み立てで買うのだ。まずはオルカンで良い。その時の相場が高いとか安いとかは関係ない。Nvidiaが高すぎると思っても、紙くずになるような大暴落を遂げても、絶対売らずに粛々と積み立てで買うのだ。”敗者のゲーム”や”ウォール街のランダムウォーカー”を読め。そのあとで個別株は一株ずつ試して楽しめ。そしたらご機嫌で幸せな人生が送れるサ。」
2024年7月10日
- 22年目挨拶 -
株式会社トライアンフ代表取締役社長の日向正嗣でございます。
新しい期を迎えまして、お客様、ご関係者の皆様方、そしていつも支えてくれている社員の皆さんにご挨拶させていただけ得ればと思います。
第21期をご支援いただき、本当にありがとうございました。創業より目標としておりました年商10億円を達成いたしましたこと、改めてご報告するとともに、心よりの感謝を申し上げたいと存じます。この21期を振り返りますと、期初より大いに取引も拡大し、本社を中心に各オフィス最高月商を更新する勢いのある一年となり、時期やエリアに濃淡はありましたが非常に力強い需要に支えられた期でございました。また、インフレと技術者不足に悩まされる一年でもあり、需要拡大に対して当社の運用を支えるメンバーの負荷やマネジメントが顕著に疲弊する一年でもあったと思います。
本期は、当社にとって「人的資本経営」に取り組む1年でもありました。特に「健康経営」がその中心に位置づけていた施策で、フラッグシップとして「サハラプロジェクト」を立ち上げ、大阪オフィスの柾木拠点長がサハラマラソンに挑む、壮大な挑戦と共に、健康手当の創設等の社内福利厚生施策と合わせて社員一人一人が自分のB/S、自分の健康資産に向き合う一年になったかと思います。
22期に向かうにあたり、私は長期プロジェクトとして「プロジェクトテンバガー」を打ち出しまし、先日行われた、拠点長・統括のキックオフミーティングで発表しました。テンバガーとは、元々は野球用語から転じた証券用語で10倍株、の様な意味を持ちます。さらに転じて、当社においては、「今後10年以内に、年商100億円、純資産10億円を目指していく。」というゴールです。目標を大きく定める意義や、20周年イベントでも語った定性的なビジョンを改めて示し、日本の情報インフラにおける様々な国家プロジェクトを当社の力で完結していけるような企業を創り上げていければと思っています。
近年、当社もではありますが、企業は、そして経営者は、「成長」を強く求められています。一つは、これまで無かったような激しいインフレであり、政府要請でもある賃上げです。もう一つは、コロナ後のAI/テクノロジーの進化による需要の急拡大、最後は急激な少子化や技術者不足です。
当社の様に、労働集約性の高い仕事にとっては、本当に厳しい話でもあり、マネジメントに携わる人材の負荷は急拡大してきました。お客様にもご協力を戴かなければなりませんが、社員一人一人の成長や貢献も待ったなしになってしまった印象は非常に強くあります。
人的経営を行う指針として、私が社員に求めているもの、評価しているものとしては、「エンゲージメント」「コミットメント」「ウェルビーイング」の3つを上げて説明しています。要は、自分主体で会社やお客様に愛着を持っていて、プロとして望まれている事をしっかり行い、社会的にも肉体的にも精神的にも健全で善良で熱意をもって仕事していくという事です。
最後に財務についてですが、元々手厚い財務基盤だったところ、コロナ過においては大きく借入を増やして手元を厚くして来ており、直近ではその返却も進み自然に減らしながら自己資本比率を上げていっていたのですが、昨今のインフレ、円安、金利情勢を踏まえて、余剰のキャッシュはある程度投資に回す必要を感じています。「伊藤レポート」は人的資本だけというよりは、市場環境に与えてきた影響が大きかったこの数年だと思います。お取引いただいております金融機関の皆様にはまたお力添え戴くことも多いかと存じますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
今期も社員一同、全力で社業邁進してまいります。変わらぬご支援、ご協力の程、何卒よろしくお願い申し上げます。
2024年7月1日