2006年3月21日
社長の3月末の仕事は地味だが重要の事が目白押しである。
各社の経理負担を軽減するために、請求書は早め早めに作成していかなければならないし、4月から始まる新規の長期案件もまとめなければならない。
しかし何よりも大きいのは「移動」である。
クライアントの営業窓口が変われば、受注ルートがいきなり途絶えたりもするし、1案件を見ても担当者が転勤になるだけで大騒ぎである。
直接のクライアントだけではなく、そのお客様であるベンダーや、エンドユーザの担当者の移動についても同じ事がいえるので、年度をまたぐ案件はそれだけで大きな不安要素を抱えている事になる。
あらかじめ年度がまたぐ事が見えていれば準備も出来るのだろうが、我々の受けている3月ワークはそもそも計画がギリギリ納期に収まらない範囲で組まれているため、納期後の4月に持ち越してしまうケースもよくある。これが恐いのだ。
仕事は完遂できるのだろうか?料金の回収ルートは途絶えないのだろうか?
特に今年はクライアント先の大手ベンダーが子会社を吸収したり再編したりと忙しいので、「情報収集」と「顔つなぎ」は非常に重要な仕事になる。
本当にアツい3月はこのあたりの時期から始まるのだ。
2006年3月18日
コンプライアンスという縛りは経営者には重い。
常識的に考えて、「ダメだ。こんな事やっちゃいけない。」と思う事でも責任を持って契約している仕事であれば取り止める事は難しい。
まして、恩のあるお客さんからの依頼だったり、そういう人に迷惑をかけると思えばなおさらだし、既に取り掛かっている業務であれば、無責任に放り出してしまうのは躊躇われる。
しかし、明らかな大問題に目を閉じて、アクセルを踏むわけには行かない。
現場から鳴り響くアラートに背を向けてはならない。
何とか調整して改善してもらいたいが、「改善できないけれど、やってよ。やってもらわないと、困るよ。何とかしてやってよ。何としてでもやってよ。」現場のお客様に届かず一方的に要求を突きつけられるのみ。進めば「玉砕」の一手。
「撤退」の指示は責任者である自分しか出せない。
それは放棄。
それは裏切り。
だけど、それが正義。それが品質。
本当に続けながら改善する事で問題回避はできないものか?
関係者に協力を仰いで、今回だけ凌ぐ事は出来ないものか?
撤退の決断をするにしても、もう少し先でもいいのではないか?
葛藤を重ねるうちに時間が推移し、状況はみるみる悪化する。
「それでもダメだ。うちには出来ない。」
たとえ一時的にクライアントの不況を買っても、誠意を持って謝ろう。
判断を先延ばしにしてしまっては、クライアントが考慮する時間を奪ってしまうだけだ。それならば、きちんと早めに決断して、当社体制以後に改善していただこう。
不当な事も不正な事も私にきちんと報告が上がってきてスタッフが良心に基づいて警告を発するのであれば、トップはブレーキをかけねばならない。それが責任者の存在意義だ。
コンプライアンスの代償は本当に重い。
しかし、決定する時期や手法については最善は他にあったとしても、最悪のケースを避けることを優先しよう。後味は本当に悪い。クライアントに対しては申し訳ない気持ちで一杯になる。それでも胸を張って決断しよう。そして誠意を持って謝ろう。これがトライアンフの総意であり、当社の誇る品質・体質であると信じる。
2006年3月17日
「将来のためにあれもこれも」と不必要な機能や使いもしない性能を持たせた機器を持ってしまい結局無駄になってしまう事を我々のIT業界ではオーバースペックと云う。
転じて、これまた我々の深く関わる人材サービス業界では、業務に必要なスキルを上回ってしまう人材をオーバースペックと呼ぶ。
人材採用時の面接内容として、現場の必要とする能力より明らかに高い能力を提示して、実際にその人を採ったとしても、オーバースペックであれば本人に仕事内容について不満が出るし、業務の内容に応じた適切な報酬では能力に十分報いる事も出来ない。
だから、受け入れ側の現場担当者であれば、最低限求めている能力があれば上は良ければ良いほどいいので、「とにかく少しでも良い人間を採ればいいではないか?」と思いがちであるが、上記の点でオーバースペックに良いことはあまり無いのだ。
候補者がレジュメを多少飾ってくる部分の遊びがあれば十分であろう。
一方で、業務に届かないレベルの人材、いわゆるアンダースペックを求める企業があるのだろうか?
通常であれば、考えられない。どう考えても現場が困るからだ。
しかし、実際には頻繁に起こりうる。一つは採用担当者が現地の業務をまるで把握していない場合。一つはとにかく安く採用し責任から何から何まで丸ごと押し付ける場合。一つは会社の現状、特に支払える金額や扱える業務の幅を大きく上回った仕事を請けて、人材側は会社の現状に合せた能力で採ってしまう場合。
業務内容と報酬と人材の能力、急速に発展していく企業にとっては非常にすり合わせていくのが困難な課題であるが、だからこそどの企業も「人事制度」については高い優先順位で整備・見直しを続けるのだろう。
当社も葛藤の真っ只中にいる。
2006年3月16日
業界によって忙しい月というのは違うと思うが、当社の業界ではどうか?
本日友人と話していて、そんな話題になった。
まず、思いっきり忙しいといつも思うのは年末12月、年度末3月、そして夏休み8月である。年度末は予算関連の駆け込み需要や転勤などの移動、8月はいわゆる「業務が止まっている時に何とかして欲しい」需要で、12月はその両方。
次に忙しいのは、4月9月。年度初めや半期のスタートで移動がらみの需要が多い。
一方暇になりがちなのが、繁忙期の直後。駆け込んだ後の反動になる、1月、5月のゴールデンウィーク明け、10月。
その他の月は案件次第の風任せである。今期では前半期のヤマ8月12月は予想通り忙しく、その他も目一杯忙しかった。1月だけ閑散としていて、2・3月とまた驚くほど忙しい。
4月は長期案件の入りやすい時期で、今の時期の調整がまた活きる。
経営者にとって忙しい時期は精神的に比較的楽な時期だ。なんといっても仕事が無いほどつらい事はないし、苦しいことは無い。クレームが多かろうと資金繰りが心配であろうと、とりあえず仕事が来れば未来に向けて希望が持てる。
いい仕事して、次に繋げないとね。アクセルは今踏みっぱなしの状況だ。
2006年3月11日
ビジネスコーチングというと、上司から部下に・・という形が一般系として想像されるのだろうが、実は逆が有効なのではないだろうか。
圧力にならないような指示の出し方、というのは、マネジメントスキルとしてもちろん大事になるのだろうが、そもそもコーチ側に答えがある方向に持っていくのではコーチングの本義から外れる。基本はやはり「思い込みを解きほぐし気付かせる」ところにあるのだから、指示や要望を出す側にこそコーチングを受ける意義は大きいと思う。
営業シーンでもそうだろう。クレームに対する責任の割合を考えてもらう時もそうであろうし、自社の改善点を洗いなおしたいと考えているクライアントに対するアプローチとしても有効だと思う。
コーチは100%味方であることが大前提なので、部下や下請業者がコーチになるのは非常に心強いことだと思う。それはけして、イエスマンであれ、という意味では無く、問題点を再判断する時にも有効であると思うからだ。