2005年7月31日

《実践》

実践という言葉は、私が昔から好んで使う言葉であり、私自身の行動原則に通じるものである。
マーケットに一度でも触れたことのある人間であれば共通の感覚であろうが、現実的な課題というものには、理を固めて、その理論どおりに実行できる問題などおよそ存在し得ない。あいまいな状態でも比較優位なものを選択して行動し、仮説を立て、そこに方向性を導き出す。そんな姿勢こそが経営には必要なのである。
つまり、よく「経営の実践」で語られる、「プラン、ドゥー、シー」というものは、ちょっと順番が異なっていて、「ドゥー、シー、プラン」というものこそ、経営に即した実践であろうと私は思う。「この順番は螺旋のようにつながっていて、何処から始めてもいい」という意見にも確かに頷けるものがある。
つまり「実践」を私は「Execution」というよりも「practice」として定義したいということだ。そして私を含めた経営者とは、実践を行う職種の事を云うのである。

2005年7月29日

《市場の声》

私のように投資家出身の経営者は、どうしても「投資対象としての会社」という視点から会社を運営したくなる。
志も勿論大切だが、財務体質や将来性をリアルに感じとれる方策や目的を好む。
実際に「どんな株を買うよりも自分の会社に資金を賭ける方が安全に儲かる」と確信しているから、全財産を会社に突っ込んだりもしているのだ。
いづれは誰もが、うちの株をこぞって買いたがるように会社を育てて行きたいし、誰でも買えるシステムにしたい。
好きなように会社ごと買わせはしないが、皆が成長性を信じられる会社にしていきたい。

正論を吐くことは実は難しいことではない。
実践することが難しいのである。人がやっている事を見て、ヨコから批評することは本当に簡単だ。しかしそれを実践するためには、いくつかの問題点を超えなければならないし、お金も時間もかかることになる。なによりも、プランニングするのは楽しい作業だが、実行するのは地味で面倒な作業であるのだ。
ベンチャーなどというものはその典型で、いわゆる「大人」からしたり顔でアドバイスを受ける機会は非常に多くある。しかし、「そこまで云うなら実際にやってみてください。成功報酬でギャラは払います。」というような話や「自信のあるプランなら資金を出してください。回収資金の何パーセントは報酬でお支払します。」という提案には誰一人として乗らない。
私自身は普通の経営者であり、高邁な理想や卓越したアイデアがウリなわけではない。信頼していただいたお客様に精一杯応える仕事をする。いい仕事をするために、良い人材を集める。人材を効率的に活かす為、組織作りに腐心する。やりたいことが全てできるわけでも、必要なことを全てやっているわけでもないが、大切なコトを順番に仕上げていっているのだ。
私自身がやりたい事は、まず自分が誠意を持って手がけている。だから口を出したいのであれば中に入って自分でやるか、何も云わずに資金を出して欲しい。
ベンチャーに批評家は要らない。

いよいよ、私達のお仕事で一番忙しい季節、「夏」がやってきます!
この季節をどう乗り切るか?で今期の成長を占うことができる。その夏の中核が「8月」なのです。
8月を乗り切るために、様々な工夫を試み、そして急成長を支える下準備をしてきました。その下準備の締めくくりが、このキャンペーンです。
「大阪オフィス、スタートアップキャンペーン」
コンセプトは『一番忙しいこの刻に、最高にリーズナブルな価格で。』
期間:8月1日~8月31日
金額:1人12000円/日 (税別600円+交通費等必要経費)
スタッフ募集ページをご覧いただければわかるように、当社ではスタッフの品質を担保するために1万円超の日当を提示しています。それでも、これからの「大阪」をガッチリ掴むために当社ができる、ギリギリのキャンペーン。
たくさんのお客様がご利用いただけることを祈って。

2005年7月24日

《財務》

経営を司るものとして、次代のステップを踏むためにどうしても乗り越えなければならない壁がいくつかある。
その一つは間違いなく「資金」の壁だろう。
特に当社のように小資本から始めたベンチャーであれば、間違いなくこの壁は厚いものとなるだろうし、財務に弱い経営者では勢いがあるほど危険でもある。
なぜなら、小さな規模で軽いマイナスが生じたとしても、「自分の給料を遅らせる」や、「自分の貯金を取り崩す」といった、社長マターで解決が可能であるステージから、一気に個人ではどうにも解決できない金額へ踊りだすからである。
当社の「今」はまさにこうしたステージであり、今期はこのテーマとの戦いになるのではないかという危惧もある。
解決するために考えなければならないことはいくつかある。
一つは月次の資金の出入りを詳細に掴む事。一つは請求書などはなるべく前倒しで処理し、ワントラブル起きても入金が遅れる事態を避ける余裕を持つこと。一つはあまりギリギリの勝負をかけないこと。短期資金を調達する手法を確立すること。そして最後に、これが一番大事なことだが、財務に強い人間を入れること。
入り口でいつまでも躓いているわけにはいかない。